◎朝鮮労働党のスポーツウェブサイトは声明の中で、「国内オリンピック委員会は3月25日の会合で、コロナウイルスが引き起こした公衆衛生危機から代表選手を保護することに決めた」と述べた。
2018年2月10日/韓国で開催された平昌オリンピック、IOCのトーマス・バッハ会長と北朝鮮の金与正(AP通信/Jae C. Hong)

報道によると、北朝鮮は東京オリンピックに参加しない方針だという。

朝鮮労働党のスポーツウェブサイトは、「国内オリンピック委員会は3月25日の会合で、コロナウイルスが引き起こした公衆衛生危機から代表選手を保護することに決めた」と報じた。このウェブサイトは朝鮮労働党のスポーツ省が運営している。

朝鮮中央通信は以前、同委員会が会合を開催したと伝えていたが、結果は報道していなかった。

韓国のオリンピック委員会によると、政府は北朝鮮の決定をウェブサイトで知り当局に事実かどうかを確認したが、現時点で返事はないという。

北朝鮮は2018年の冬季平昌オリンピックに政府関係者、アーティスト、ジャーナリスト、230人の応援団、そして22人のアスリートを派遣した。政府関係者の中には金正恩の強力な妹、金与正(キム・ヨジョン)も含まれており、この時のつながりが米トランプ前大統領との外交の構築に役立ったと伝えられている。

しかし、北朝鮮とアメリカの外交は膠着状態に陥り、今回の決定は非核化や拉致問題解決に向けた新たな外交関係を構築するうえでもマイナスに働く可能性が高い。

金正恩は北朝鮮国内にコロナウイルスは存在しないと主張しているが、諸外国はこの発言を疑っている。韓国の専門家は以前、「北朝鮮の健康インフラは極めて脆弱で、経済のライフラインである中国との貿易および人の往来を考えると、コロナが侵入していない確率はほぼゼロだと思います」と述べていた。

金正恩はコロナ対策を「国家の問題」と呼び、感染者を隔離するために国内の医療従事者を総動員したと伝えられている。

菅義偉 首相は以前、金正恩や他の外交トップと拉致問題や非核化に向けた話し合いに応じる心積もりはできていると述べていた。

2021年3月31日/日本、東京オリンピックののぼり(AP通信/Eugene Hoshiko)
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