SHARE:

北朝鮮、米主導の軍事演習に警告、金与正「核抑止力強化に変更ない」

金与正は談話の中で、北の軍事的主権と安全保障上の利益が重大に侵害されたと判断した場合、軍が「あらゆる手段を動員する」と警告した。
北朝鮮の金与正 党部長(ロイター通信)

北朝鮮の金与正(Kim Yo-jong)党部長は米国が主導する多国間軍事演習が朝鮮半島の緊張を悪化させる「主な原因」だと非難し、軍事的対応を強化する可能性を示唆した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が18日に報じた。金与正は北が核抑止力を強化する路線を変更することは「決してない」と表明した。

金与正が問題視したのは、米国が主導する多国間の軍事演習「パシフィック・ヴァンガード(Pacific Vanguard)」などだ。北はこれまでも、米韓を中心とする軍事演習について、北への軍事的圧力を強める行動だとして繰り返し非難してきた。一方、米国はこうした演習を地域の防衛態勢を維持するためのものと位置付けている。

金与正は談話の中で、北の軍事的主権と安全保障上の利益が重大に侵害されたと判断した場合、軍が「あらゆる手段を動員する」と警告した。ただし、具体的にどのような軍事行動を想定しているのかについては明らかにしていない。

北では今回の発言に先立ち、核兵器をめぐる強硬な発信が相次いでいる。9月17日には金康一(Kim Kang Il)国防次官が中国・北京で開かれたフォーラムで、米国、韓国、日本による軍事協力の拡大を理由に、核戦力を引き続き強化すると表明した。また、北の核保有国としての地位は不可逆的であり、非核化を受け入れる考えはないとの立場も示した。

9月11日には東岸から短距離弾道ミサイルを発射。米国、韓国、日本による軍事演習「フリーダム・エッジ」の終了直後で、北はこの演習を挑発行為と位置付けていた。

一方、米政府内では北との緊張緩和を意識した動きも出ている。トランプ(Donald Trump)大統領は8月、韓国との合同軍事演習の規模を縮小するよう指示した。しかし、北は演習の規模縮小だけでは姿勢を変えず、核抑止力の強化を続ける立場を改めて示した形だ。

今回の声明によって、日米韓による軍事協力と北の核・ミサイル戦力強化をめぐる応酬が続いていることが改めて示された。今後、北が警告した「より強い対応」を具体的な軍事行動に移すかが焦点となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ