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ミャンマー軍政、受刑者4300人に恩赦、内戦続く中


ミャンマーでは2021年に軍がクーデターを起こし、民主的に選ばれたアウンサンスーチー政権を打倒して以降、政治的混乱が続いている。
2021年3月27日/ミャンマー、首都ネピドー、「国軍記念日」を祝う軍事パレード、フライン司令官(AP通信)

ミャンマーの軍事政権は17日、4000人以上の受刑者を恩赦により釈放すると発表した。国営放送(MRTV)によると、今回の恩赦対象は4335人に上り、このうち外国人179人は釈放後に国外退去となる見通しである。

今回の恩赦は同国の伝統的な新年行事に合わせた措置であり、毎年この時期に実施される。ただし、対象者の詳細は明らかにされておらず、政治犯がどの程度含まれるかは不明だ。

また当局は死刑判決を受けた受刑者の一部について無期懲役へ減刑し、無期刑についても40年刑に軽減するなど、刑の緩和措置も併せて実施するとしている。さらにその他の受刑者についても刑期の6分の1が短縮される見込みだ。

ミャンマーでは2021年に軍がクーデターを起こし、民主的に選ばれたアウンサンスーチー政権を打倒して以降、政治的混乱が続いている。人権団体の推計では、これまでに3万人以上が政治的理由で拘束され、抗議活動の参加者やジャーナリスト、野党関係者などが広く弾圧の対象となってきた。

拘束者の中には、国家顧問を務めていたアウンサンスーチー(Min Aung Hlaing)氏やウィン・ミン(Win Myint)大統領らも含まれている。スーチー氏は複数の罪で実刑判決を受け、計27年の刑に服している。国際社会はこれらの刑について、政治的動機によるものと批判してきた。

今回の恩赦は過去半年間で3回目の大規模な受刑者釈放となる。軍政はこれまでも独立記念日などの節目に合わせて数千人規模の恩赦を繰り返しており、今年1月にも6000人以上が釈放されている。

一方で、こうした恩赦が実際に政治的緊張の緩和につながっているかについては疑問の声も多い。依然として多くの政治犯が拘束されたままで、武装勢力と軍との衝突も続いているため、国内の不安定な状況は全く改善していない。

軍政トップのフライン(Min Aung Hlaing)総司令官は今月、議会によって正式に大統領に選出され、権力基盤をさらに強化した。同氏は就任演説で「平和と安定、国民和解」を優先課題に掲げたものの、実際には内戦状態が続き、350万人以上が国内避難民となる深刻な人道危機が続いている。

今回の恩赦は国内外に対して融和姿勢を示す狙いがあるとみられるが、政治犯の扱いや民主化の見通しが依然として不透明な中、その実効性には限界があるとの見方が強い。ミャンマー情勢は引き続き国際社会の注目を集めることになりそうだ。

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