◎朝鮮中央通信(KCNA)は、「金正恩 総書記は1カ月前に任命した経済政策顧問のパフォーマンスを嘆き、解雇した」と報じた。
2021年2月8日 AP通信/北朝鮮、朝鮮労働党中央委員会に出席した金正恩

北朝鮮の国営メディアによると、金正恩は経済政策の失敗を当局者になすりつけ、内閣のパフォーマンスにダメ出ししたという。

朝鮮中央通信(KCNA)は、「金正恩 総書記は1カ月前に任命した経済政策顧問のパフォーマンスを嘆き、解雇した」と報じた。

北朝鮮の経済はコロナウイルス、自然災害、そしてアメリカ主導の厳しい経済制裁に打ちのめされている。

金正恩の独裁政治は完全に行き詰まっており、専門家は1990年代の飢饉に匹敵する深刻な食糧危機が発生する可能性もあると指摘している。

金正恩は先月の朝鮮労働党大会で経済計画が失敗に終わったことを認め、新たな経済5カ年計画を発表した。

KCNAによると、金正恩は朝鮮労働党中央委員会の中で経済顧問の働きに不満を漏らしたという。

金正恩(国営メディア報):
「内閣は経済を監視する主要機関としての役割を果たせず、革新的な視点と明確な戦術を示さずに実行不可能な政策を作成している」

金正恩は今年の農業生産目標について、「農産物の供給が限られていることやその他の不利な状況を考慮せず、非現実的に高く設定されている」と指摘した。

また、「内閣の発電目標は低く設定されすぎており、炭鉱や他の産業で電力不足が発生する可能性がある」と述べたという。

KCNAは、「内閣は主要な経済分野の計画を立案する主導的な役割を果たせず、発表した経済目標は省庁が提出したものを機械的にまとめただけだった」と報じた。なお、朝鮮労働党中央委員会は解雇した金頭日 経済局長の後任に呉秀容を任命したという。

金正恩は1月の党大会の中で、国家の統制を強化し、農業生産を促進し、化学および金属産業の発展を優先するよう内閣に指示した。また、核兵器開発を加速させると誓約し、アメリカのジョー・バイデン大統領に圧力をかけた。

化学と金属部門は北朝鮮の主要産業だが、コロナウイルスと経済制裁の影響で原材料の輸入が停止し、ひどく衰退している。

韓国のアナリストは北朝鮮の新しい5カ年計画について、「以前の計画と同じく、国に良い影響を与える可能性は低い」と指摘した。

一方、韓国の諜報当局は、北朝鮮が米ドルや他の外貨の使用を抑制するなどして、市場に対する政府の統制を強化する劇的な措置を講じている兆候があると述べた。

アナリストによると、こうした措置は、人々に外貨貯蓄を北朝鮮ウォンと交換させることを目的としており、外貨準備の枯渇に対する政府の切迫感を示しているという。

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