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IMF専務理事、各国に債務削減とAI規制を要請、戦争とエネルギー高が世界経済に影

ゲオルギエワ氏はシンガポールで講演し、中東やウクライナでの戦争、巨額の政府債務、急速なAI投資という複数の要因が世界経済に同時に圧力をかけており、各国政府は先送りしてきた政策対応を進める必要があると訴えた。
米ワシントンDCの国際通貨基金(IMF)本部(AP通信)

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ(Kristalina Georgieva)専務理事は7日、世界各国に対し、政府債務の削減や人工知能(AI)への適切な規制を急ぐよう求めた。

ゲオルギエワ氏はシンガポールで講演し、中東やウクライナでの戦争、巨額の政府債務、急速なAI投資という複数の要因が世界経済に同時に圧力をかけており、各国政府は先送りしてきた政策対応を進める必要があると訴えた。

またゲオルギエワ氏は、過剰な政府債務が先進国、途上国を問わず大きな負担になっていると指摘。米国、日本、ドイツなどで債務が膨らむ一方、低所得国では高い金利の下で、社会福祉などへの支出と債務返済のどちらを優先するかという難しい選択を迫られているとした。そして各国には財政支出を抑制し、必要に応じて借り入れコストを高めるなど、インフレを抑える政策が求められるとした。

一方、AIの急速な普及については、世界経済の成長を押し上げる可能性がある半面、新たなリスクを生み出していると警告した。データセンターなどへの投資は鉄道や電力網、通信インフラの建設に匹敵する規模になる可能性があり、AI関連企業の株価や収益への期待が高まっている。だが、大規模投資に対して生産性向上などの効果が遅れて現れれば、市場の失望が金融市場全体に波及する恐れがある。

AIの恩恵も世界全体に均等に及んでいるわけではない。アジア太平洋地域にはAI関連貿易で上位に入る国が集中している一方、多くの国はAIブームから取り残され、経済格差が拡大する可能性がある。また、データセンターなどによる電力需要の増加がエネルギー価格を押し上げ、燃料や肥料、食料などの価格にも影響する可能性がある。

ゲオルギエワ氏はAIについて、労働市場への大規模な影響やサイバーセキュリティー上の脅威、金融システムへのリスクなどを抑えるため、適切な規制を整備する必要があると強調した。同時に、労働者の技能向上、起業を促す制度改革、エネルギー安全保障の強化なども必要だとした。AIを適切に活用できれば、世界の経済成長率を年間0.5ポイント押し上げる可能性があるとのIMFの分析も紹介した。

さらに中東情勢を背景とするエネルギー価格の上昇も世界経済の重しとなっている。原油価格や金利の上昇が企業や政府の資金調達コストを押し上げる中、IMFは各国に財政の立て直しとインフレへの対応を求めている。

世界経済が複数のリスクに直面する中、来週のIMF・世界銀行年次総会では債務問題とAIを含む構造変化への対応が主要議題となる見通しだ。

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