◎ライ氏を含む8人の民主活動家は昨年、天安門事件の追悼集会を扇動した罪で起訴された。
2021年2月1日/香港の裁判所前、リンゴ日報の創業者ジミー・ライ氏(Getty Images/AFP通信)

香港の裁判所は13日、アップルデイリー紙(リンゴ日報)の創業者で実業家のジミー・ライ氏に懲役13カ月の実刑判決を言い渡した。

ライ氏を含む8人の民主活動家は昨年、天安門事件の追悼集会を扇動した罪で起訴された。裁判所は他の7人にも有罪判決を言い渡している。

中国共産党の支配下に置かれている香港当局は、昨年から今年にかけて主要な民主活動家を20人以上逮捕、起訴した。

7人の中には著名なジャーナリストであるグウィネス・ホー氏(何桂藍)や、人権弁護士のチョウ・ハン・タン氏も含まれている。

ライ氏の弁護士は香港フリープレス紙(HKFP)を介してライ氏の声明を発表した。

ライ氏は声明の中で「判決を受け入れる」と述べた。「不当な取り締まりで亡くなった人々を追悼することが犯罪であるなら、私を罰してください。私は6月4日に血を流した人々を称えます」

共産党は1989年の六四天安門事件を連想させる記事、文書、ソーシャルメディアの投稿などを厳しく取り締まっている。事件の犠牲者は数百から数千人と考えられているが、指導部は事件に関連する情報を公開していない。

裁判所は判決に先立ち、「ライ氏は集会に参加するよう人々に呼びかけ、無許可の集会を扇動した」と厳しく指摘していた。

ライ氏は今年4月、2019年の民主化抗議に参加した罪で懲役14カ月の実刑判決を受け服役した。

<2019年8月18日の抗議で有罪判決を受けた民主活動家>
・ジミー・ライ(黎智英)12か月
・レオン・クオックホン(梁国雄)18カ月
・アウ・ノックヒン (區諾軒)10か月
・シド・ホー(何秀蘭)8カ月
・マーティン・リー(李柱銘)11カ月執行猶予付き
・アルバート・ホー(何俊仁)12カ月執行猶予付き
・マーガレット・ン(呉靄儀)12カ月執行猶予付き
・ルング・イウ・チャング(梁耀忠)8カ月執行猶予付き

<2019年8月31日の抗議で有罪判決を受けた民主活動家>
・ジミー・ライ(黎智英)2か月
・リー・チュクヤン(李卓人)2か月
・ヨン・サム(楊森)8カ月執行猶予付き

香港の主要な民主活動団体である香港同盟は、毎年6月に天文門事件の犠牲者を追悼する集会を開催していた。しかし、昨年施行された国家安全維持法は共産党指導部の意に沿わない集会や活動を取り締まりの対象としており、以前のような集会の開催は難しくなった。

民主活動家は共産党の飼い犬である林鄭 月娥(りんていげつが)行政長官と議会を厳しく非難し、香港の言論と表現の自由を取り戻すよう国際社会に呼びかけている。

今年の追悼集会は警察の監視下のもとで行われた。

2021年6月4日/香港、天安門事件の追悼集会(AP通信)
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