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香港、民主派団体幹部の裁判結審、国家安全維持法違反

香港では2019年の民主化デモ以降、中国共産党による統制が急速に強まっている。
2021年5月24日/香港、香港アライアンスの副議長を務めるチョウ・ハン・タン氏(AP通信/Vincent Yu)

香港の裁判所で19日、1989年の天安門事件を追悼する集会を主催してきた民主派団体幹部の最終弁論が行われた。判決は7月中旬から下旬に言い渡される見通しで、中国返還後の香港に残されてきた言論や集会の自由が後退していることを象徴する裁判として国際社会の注目を集めている。

国家安全維持法違反で起訴されているのは、民主派団体「香港市民支援愛国民主運動連合会(支連会)」の元幹部である鄒幸彤(Chow Hang-tung)氏と李卓人(Lee Cheuk-yan)氏。両氏は2021年、共産党が香港に導入した国家安全維持法に基づき「国家政権転覆扇動罪」に問われた。有罪となれば最長10年の禁錮刑が科される可能性がある。両氏は一貫して無罪を主張している。

支連会は長年にわたり、香港で毎年6月4日に天安門事件犠牲者を追悼する集会を開催してきた。中国本土では天安門事件に関する言論が厳しく制限されているため、香港の追悼集会は中国領内で唯一の大規模公開追悼行事として知られていた。しかし2020年、コロナ対策を理由に集会が禁止され、その後も開催は認められていない。支連会自体も解散に追い込まれた。

検察は裁判で、支連会が掲げていた「一党独裁の終結」というスローガンが、中国共産党政権を転覆させる扇動に当たると主張した。また、表現や集会の自由は「絶対的権利ではない」とし、人権を根拠にした被告側の主張を退けた。

これに対し、法廷で自ら弁護を行った鄒氏は、「一党独裁の終結」は民主化を求める政治的主張に過ぎず、暴力的な行動を呼び掛けた事実はないと反論した。さらに「真実を語ることが扇動とされ、権力を制限することが国家転覆と見なされている」と述べ、今回の裁判そのものが法の正当性を問うものだと批判した。

香港では2019年の民主化デモ以降、中国共産党による統制が急速に強まっている。国家安全維持法施行後、多くの民主活動家やジャーナリスト、市民団体が逮捕され、事実上活動停止に追い込まれた。今回の裁判は香港が中国返還時に約束された「高度な自治」と自由をどこまで維持できるのかを問うものとなっている。

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