◎武装した男たちが出稼ぎ労働者向けの集合住宅に押し入り、20人を拉致。ブルドーザーやその他重機に火をつけ逃亡した。
パキスタン、南西部バルチスタン州(Getty Images)

パキスタン南西部バロチスタン州で正体不明の武装集団が20人の労働者を誘拐した。警察が29日、明らかにした。

それによると、事件は州都クエッタ近郊の地区で29日早朝に発生。武装した男たちが出稼ぎ労働者向けの集合住宅に押し入り、20人を拉致。ブルドーザーやその他重機に火をつけ逃亡したという。

州警察の広報担当は地元テレビ局の取材に対し、「民間エネルギー会社の従業員20人が拉致された」と語った。

それによると、この会社は首都イスラマバードに拠点を置き、外資系の支援を受けているという。

パキスタンでは近年、イスラム過激派によるテロ攻撃が相次いでおり、その多くがアフガニスタンと国境を接するバルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州で発生している。

バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、バルチスタン解放軍(BLA)などの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。

同州では前日、正体不明の武装集団が民家を襲撃し、7人が死亡、1人が重傷を負ったばかりだ。容疑者は捕まっておらず、犯行声明を出した組織も確認されていない。

この8人は東部パンジャブ州から出稼ぎに来た家族であった。

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