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カンボジア裁判所、韓国人学生殺害事件で被告6人に終身刑、詐欺センター摘発続く中

被害者は22歳の韓国人学生で、2025年8月に遺体で発見された。
カンボジアの詐欺拠点で拘束された容疑者たち(AP通信)

カンボジアの裁判所は27日、韓国人男子学生を拷問の末に殺害したとして、中国籍の男6人に終身刑を言い渡した。事件は東南アジアで拡大する「詐欺センター」を巡る犯罪の実態を浮き彫りにし、韓国とカンボジア両国の外交問題にも発展していた。

判決を下したのは南部カンポットの裁判所で、被告たちは拷問を伴う殺人や加重詐欺などの罪に問われていた。被害者は22歳の韓国人学生で、2025年8月に遺体で発見された。韓国当局の司法解剖によると、学生は激しい暴行を受けた末、鈍器による外傷で死亡したという。韓国メディアは、被害者が高収入の仕事を紹介すると誘われてカンボジアへ渡航し、その後、オンライン詐欺組織の施設に監禁されていたと報じている。

事件の舞台となった「詐欺センター」は、近年東南アジア各地で急増している犯罪拠点だ。カンボジアやミャンマー、ラオスなどでは中国系犯罪組織が大規模施設を運営し、外国人を違法に働かせながら投資詐欺やロマンス詐欺を行っているとされる。国連は数十万人規模がこうした施設で働かされている可能性があると指摘している。被害者の中には「好条件の仕事」をうたう求人広告で誘い込まれ、パスポートを取り上げられたうえで暴力や脅迫を受けながら詐欺行為を強要されるケースもある。

韓国の世論はこの事件に猛反発した。韓国政府は昨年10月、駐カンボジア大使を呼び出して抗議し、一部地域への渡航禁止措置を導入した。また、政府高官を現地に派遣し、韓国人被害者の保護や帰国支援を進めた。韓国当局によると、カンボジア国内には1000人以上の韓国人が詐欺拠点にいる可能性があるという。

一方で、こうした施設で働く人々の実態は複雑だ。韓国人支援活動家の中には、「全員が純粋な被害者ではない」と指摘する声もある。高収入を求めて自発的に渡航し、詐欺に加担した後に組織から抜け出せなくなる例もあるという。実際、韓国へ送還された一部の韓国人は詐欺への関与が疑われ、帰国直後に捜査対象となった。

カンボジア政府は国際的な批判を受け、取り締まりを強化している。今年3月にはオンライン詐欺組織に対して終身刑を可能にする新法を成立させたほか、2025年以降だけで約1万9000人を国外退去処分にしたとしている。しかし、人権団体は「摘発が限定的で、依然として政治家や有力者との癒着が残っている」と批判している。今回の判決は強硬姿勢を示す象徴的な措置とみられるが、東南アジアに広がる越境犯罪を根絶できるかは依然として不透明だ。

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