米クルーズ大手、メキシコ南部でのウォーターパーク建設を断念
問題となっていたのは、ロイヤル・カリビアンが「パーフェクト・デイ・メキシコ」と名付けて進めていた観光開発計画だ。
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米客船大手ロイヤル・カリビアン・インターナショナルがメキシコ・カリブ海沿岸で計画していたウォーターパーク建設を断念した。背景には、環境破壊への懸念を理由とした地元住民や環境保護団体の強い反発がある。メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は27日、同社が計画撤回を決定したと明らかにした。
問題となっていたのは、ロイヤル・カリビアンが「パーフェクト・デイ・メキシコ」と名付けて進めていた観光開発計画だ。メキシコ南部キンタナロー州マアウアルで、ビーチクラブやプール、バー、30基以上のウォータースライダーを備えた巨大施設を建設する構想で、2027年の開業を予定していた。同社は「最大かつ最も大胆な観光施設」と宣伝し、クルーズ事業と連携した新たな観光拠点として期待を寄せていた。
しかし、計画地周辺は豊かな自然環境で知られる地域であった。マアウアルは人口3000人ほどの小さな海辺の町で、世界第2位の規模を誇る「メソアメリカン・バリア・リーフ(サンゴ礁帯)」に近接している。周辺にはマングローブ林や熱帯林が広がり、ウミガメやジャガーなど多様な生物が生息する。環境保護団体は大規模開発によってサンゴ礁や沿岸生態系に深刻な影響が及ぶと警告してきた。
住民による反対運動も拡大した。オンライン署名サイト「Change.org」で始まった反対署名には400万人以上が賛同し、SNS上でも批判が殺到した。活動家たちは計画予定地に保護対象のマングローブが含まれていることや、地域住民の海岸利用が制限される可能性を問題視していた。環境保護団体グリーンピースも「この地域は岐路に立たされている」として開発中止を求めていた。
こうした反発を受け、環境天然資源省(SEMARNAT)は先週、関連する複数の許可を拒否した。シェインバウム氏は「この地域の生態学的バランスを損なうべきではない」と述べ、計画は環境への影響が大きすぎるとの認識を示した。港湾整備を含む3件の許認可が却下されたことで、ロイヤル・カリビアンは撤退を決断したとみられる。
一方で、同社はメキシコへの投資自体を断念したわけではない。政府は環境への負荷が少ない別地域での代替案を協議しているとしており、新たな観光事業の可能性を模索する姿勢を示している。また、同社がコスメル島で計画している別のビーチクラブについては、予定通り今年開業する見通しだ。
