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世界各国で子どものSNS利用規制進む、豪州が先行、欧州も追随

先行するオーストラリアに続き、イギリスやフランス、スペイン、ギリシャなど欧州各国でも年齢制限の導入や強化が相次ぎ、子どものSNS利用をめぐる規制は新たな国際的潮流となりつつある。
スマートフォンを操作する少女(ロイター通信)

子どもの精神的健康やオンライン上の安全を守るため、世界各国で未成年者のソーシャルメディア利用を制限する動きが加速している。先行するオーストラリアに続き、イギリスやフランス、スペイン、ギリシャなど欧州各国でも年齢制限の導入や強化が相次ぎ、子どものSNS利用をめぐる規制は新たな国際的潮流となりつつある。背景には、SNSの過度な利用による依存症や精神疾患、ネットいじめ、有害コンテンツへの接触に対する懸念の高まりがある。

この流れを主導しているのがオーストラリアである。同国は昨年末、16歳未満のSNS利用を原則禁止する法律を施行した。対象となるのはTikTok、Instagram、Facebook、YouTubeなど主要プラットフォームで、運営企業には利用者の年齢確認を行う義務が課された。違反した企業には巨額の制裁金が科される可能性があり、世界で初めて本格的な未成年者SNS禁止措置として注目を集めた。

欧州でも同様の動きが急速に広がっている。イギリス政府は今週、16歳未満による主要SNSの利用を禁止する方針を打ち出し、2027年春ごろまでの施行を目指している。規制の対象にはTikTokやInstagram、YouTube、Snapchatなどが含まれ、未成年者へのダイレクトメッセージ機能やライブ配信機能の制限も検討されている。英国政府は巨大IT企業による自主規制だけでは子どもを十分に保護できないとの認識を示している。

フランスでは15歳未満のSNS利用を禁止する法案が議会で審議中、スペインも16歳未満の利用制限を計画している。ギリシャは2027年から15歳未満の利用を禁止する方針を発表した。デンマークやノルウェー、ポーランド、スロベニア、ポルトガルでも同様の法整備が進められている。ドイツやイタリアではすでに保護者の同意を条件とする利用制度が導入されているが、子どもの保護という観点からは不十分だとの指摘もある。

欧州連合(EU)も対応を強化している。EUの執行機関である欧州委員会は年齢確認アプリを開発し、各国共通の認証制度の整備を進めている。匿名性を維持しながら年齢のみを確認できる仕組みを目指しており、未成年者による不適切なサービス利用を防ぐ狙いがある。また欧州議会では16歳未満のSNS利用を原則禁止するEU全体のルール導入を求める声も高まっている。

規制強化の動きは欧州に限らない。中国では「未成年モード」と呼ばれる制度が導入され、年齢に応じて利用時間や閲覧内容が厳しく制限されている。インドでは南部カルナタカ州が16歳未満のSNS利用を禁止し、他州も同様の規制を検討している。インドネシアは高リスクと判断したプラットフォーム上の未成年者アカウントの段階的停止を進め、マレーシアも16歳未満の利用禁止を打ち出した。ブラジルやカナダでも規制強化の議論が進行中である。

一方で、こうした規制には課題も多い。VPNや偽の年齢情報を利用して規制を回避できる可能性が指摘されるほか、SNSが持つ教育的・社会的な利点を失うとの懸念もある。特に地方在住の若者や少数派の子どもたちにとって、SNSは同世代との交流や情報収集の重要な手段となっているため、一律の禁止が孤立を深める恐れもある。オーストラリアでも施行から半年が経過した現在、保護者からは評価する声と実効性を疑問視する声の双方が上がっている。

それでも各国政府は、子どもの安全を優先すべきだとの立場を強めている。SNSが日常生活に深く浸透するなか、未成年者をどこまで保護し、どこまで自由な利用を認めるべきか。各国の規制強化はデジタル時代における新たな社会的課題への対応として今後も注目を集めそうだ。

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