パキスタン軍がアフガン東部を空爆、子ども含む13人死亡、緊張高まる
空爆は東部のホースト州、クナル州、パクティカ州の3州で行われた。
.jpg)
パキスタン軍は10日未明、アフガニスタン東部に対して空爆を実施し、少なくとも13人が死亡した。アフガンのタリバン暫定政権によると、犠牲者のうち11人は子どもで、女性1人と高齢男性1人も死亡した。さらに14人が負傷し、いずれも民間人とされる。今回の攻撃により、両国間で約1カ月続いていた比較的平穏な状況は終わりを迎え、再び軍事的緊張が高まっている。
空爆は東部のホースト州、クナル州、パクティカ州の3州で行われた。タリバンのムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は攻撃によって住宅地が被害を受け、多数の民間人が巻き込まれたと非難した。一方、パキスタン軍は空爆を認めたうえで、国内で発生したテロ事件に関与した武装勢力の拠点やインフラを標的にしたと説明し、26人の武装勢力を殺害したと主張している。
最も大きな被害が出たホースト州では複数の住宅が巻き込まれ、一家9人の死亡が確認された。この中には3歳から15歳までの子ども7人が含まれていた。葬儀には数百人の住民が参列した。親族の1人はAP通信の取材に対し、「家族のほとんどを失った」と悲痛な思いを語った。現場では瓦礫の撤去作業が続き、住民の間には怒りと不安が広がっている。
今回の攻撃の背景には、長年続く両国間の安全保障問題がある。パキスタン政府は国内でテロ攻撃を繰り返す過激派組織TTP(パキスタンのタリバン運動)がアフガン領内に拠点を置いていると非難してきた。TTPはアフガンのタリバンとは別組織だが、思想的・歴史的な結び付きが強いとされる。パキスタンは越境攻撃への報復として空爆を繰り返してきたが、アフガン側はTTPを保護しているとの主張を一貫して否定している。
両国は今年2月以降、軍事衝突を繰り返してきた。パキスタン軍による空爆に対し、アフガン側が国境地帯の軍事拠点を攻撃するなど報復の応酬が続き、多数の死傷者が発生した。中国などが仲介する和平協議も実施されたが、恒久的な停戦には至っていない。今回の攻撃はそうした脆弱な平穏がいかに不安定なものであったかを示す結果となった。
アフガン政府は在パキスタン大使館の代表を呼び出し、領空侵犯と主権侵害に対して正式に抗議した。一方、パキスタン側は今後もテロ対策を継続する姿勢を示している。国境地帯で戦闘は発生していないものの、住民の間では報復攻撃への懸念が高まっている。長年にわたる不信と対立を背景に、両国関係は再び危険な局面へと向かいつつある。
.jpg)
