インドの全国統一模試で不正疑惑、サイバー攻撃の可能性も、不信感広がる
問題の中心となっているのは、中央中等教育委員会(CBSE)が実施した全国統一試験だ。
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インドで行われた全国規模の試験を巡り、ハッキング疑惑や答案用紙の不一致など複数の不正問題が浮上し、教育行政への信頼が大きく揺らいでいる。大学進学や将来の就職を左右する極めて重要な試験であるだけに、生徒や保護者の不満は急速に拡大し、SNS上では「努力が無意味になる」との怒りの声が相次いでいる。
問題の中心となっているのは、中央中等教育委員会(CBSE)が実施した全国統一試験だ。報道によると、一部の受験生がオンラインで閲覧した成績データと、後に開示された実際の答案内容に食い違いが見つかった。また、生徒の回答内容そのものが差し替えられているように見えるケースも報告され、保護者らは「採点システムへの不正アクセスがあったのではないか」と疑念を強めている。
さらに、一部受験生は「自分が書いたはずの答えと違う内容が返却答案に記載されていた」と主張している。理数系科目では、本来正解していた問題が誤答扱いになっていた例もあり、再採点請求が急増している。SNS上には答案画像が次々投稿され、採点ミスや不自然な修正跡を指摘する投稿が拡散した。YouTube上でも「評価システムが改ざんされた可能性がある」とする動画が数百万回再生され、社会問題化している。
CBSEは現時点でハッキング被害を認めていないが、「一部の技術的問題と人的ミスがあった可能性がある」と説明している。教育当局は内部調査を開始し、必要に応じてサイバー犯罪部門とも連携するとしている。しかし、具体的な調査内容や対象人数は公表されておらず、透明性不足への批判が強まっている。
インドでは近年、試験制度を巡る不祥事が相次いでいる。特に医科大学入学のための全国統一試験「NEET(National Eligibility cum Entrance Test)」では大規模な問題漏洩疑惑が発覚し、警察捜査や最高裁審理にまで発展した。問題流出によって一部受験生が事前に解答を入手していた疑いが持たれ、全国規模の抗議デモも発生した。
また、試験運営機関である国立試験庁(NTA)も、過去に技術障害や採点ミス、得点算出の不透明性などで度々批判を受けてきた。受験生の間では「インドの試験制度全体が信用できなくなっている」との不安が広がっている。
背景には、インド特有の激烈な受験競争がある。人口14億人を抱える同国では、一流大学や公務員職を目指して数百万人規模が同じ試験に挑む。わずかな点数差が人生を左右するため、不正や汚職がビジネス化しやすい。過去には替え玉受験や答案改ざん、試験問題売買などが摘発されてきた。2016年にはビハール州で成績優秀者が基礎知識に答えられず、「トップ成績そのものが不正取得だった」として大規模摘発に発展した事件も起きている。
専門家は、デジタル化が進む一方で監査体制やセキュリティ対策が追いついていないと指摘する。オンライン採点や電子データ管理は効率化に寄与する一方、サイバー攻撃や内部不正への脆弱性も高めている。教育評論家の間では、「問題は単なる採点ミスではなく、制度全体への信頼崩壊だ」との声も強い。
今回の騒動はインド社会において受験制度がいかに巨大な影響力を持つかを改めて浮き彫りにした。政府が十分な説明責任を果たせなければ、若者世代の不信感はさらに拡大する可能性がある。
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