◎第三の証券取引所が設立されれば、投資家や企業の投資を促し、資金調達のハードルを下げる効果が期待できる。
2021年9月2日/中国、首都北京、国際サービス貿易見本市の会場周辺(Getty Images/AFP通信)

9月2日、中国の習近平 国家主席は民間企業と国家のさらなる成長を目指し、第三の証券取引所を設立すると発表した。

ウォール街や他の西側市場は中国企業に対する規制を強化しており、資金調達のハードルは確実に上がっている。複数の大手IT企業は西側市場で数十億ドルを調達しているが、中国国内に第三の証券取引所が設立されれば、投資家や企業の投資を促し、資金調達のハードルを下げる効果が期待できる。

習 国家主席は首都北京で開催されている中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)に宛てた声明の中で、「新たに北京証券取引所を設立し、中小企業向けの投資を促進し、中国のサービス革新志向とその地位を確立する」と述べたが、運用開始時期は明らかにしなかった。

共産党は1949年の共産主義革命から約40年後の1990年に国内初の証券取引所を上海に設立した。そのわずか1年後、香港に隣接する深セン市南部の都市に第二の証券取引所が設立された。

共産党は国営企業のために上海の取引所を設立し、その後いくつかの民間企業も上場を許可されたが、割合は国営企業の方が圧倒的に多い。電子商取引の巨人、アリババグループを含む優秀な民間企業は欧米の取引所と香港に目を向けた。

深セン取引所は2004年に民間企業向けの貿易委員会を設立し、上海は2019年にテクノロジー企業向けのボードを新たに追加した。

共産党指導部は新規雇用と富を生み出す起業家を支援し、資金調達へのアクセスを改善すると何度も約束してきたが、金融業界は起業家ではなく主に国営企業に資金を貸し出している。

一方、共産党は昨年末頃から国内外で活動する中国の民間IT企業に対する締め付けを強化し、「外国の証券取引所に上場することは難しい」と警告した。

一連の締め付けは投資家の不安を煽り、西側でも一定の評価を得ている民間IT企業の株式市場価値は数千億ドル暴落した。

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