◎米諜報機関のコロナウイルス起源調査の報告書は数日中に公表される予定。
2021年8月25日/中国、首都北京の政府施設、外務省のフー・コン事務局長(NgHan Guan/AP通信)

中国共産党は25日、米諜報機関のコロナウイルス起源調査の報告書がまもなく公表されることを受け、「アメリカはコロナを政治に利用している」と非難した。

外務省のフー・コン事務局長は外国メディア向けの記者会見で、「中国に対するスケープゴートは決して許されない」と述べた。「無実の中国を陥れれば反撃を受けるでしょう...」

アメリカ、中国、そして世界保健機関(WHO)は、2019年後半に中国武漢市で初めて検出されたコロナウイルスの起源に関する調査がもたらした確執ですったもんだしている。

今年3月下旬に公表されたWHOと中国の共同報告書は、武漢市の研究所からコロナウイルスが漏洩したという仮説はありそうにないと結論付け、中国当局は他の可能性について調査すべきと推奨した。

最も可能性の高いシナリオはウイルスがコウモリから別の動物に伝搬し、その後人間に感染したという説だが、この仮説を裏付ける証拠は見つかっていない。

WHOのテドロス・アダノム事務局長は7月、「すべての仮説はまだ調査対象であり、さらなる調査が必要」と述べた。また、武漢研究所からコロナウイルスが漏れたという仮説を3月の時点で除外したのは時期尚早だったと述べ、中国を怒らせた。

ジョー・バイデン大統領は5月、諜報機関にコロナの起源調査を命じ、90日以内に結果がレビューされることになった。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は24日の定例記者会見で諜報機関から報告書を受け取ったと明らかにし、公表に向けた準備を進めていると述べた。

一方、3月の武漢調査に関与したWHOの科学者は25日、「起源の解明に向けた機会を閉ざしていけない」と中国に警告した。

中国共産党は、コロナウイルスは米メリーランド州の米軍研究所フォート・デトリックから漏洩した可能性があり、その影響で同研究は2019年後半から2020年の数カ月間閉鎖されたと主張しているが、証拠は示していない。

フォート・デトリックはアメリカのかつての生物兵器プログラムの中心であり、現在はエボラ出血熱や天然痘などのウイルスを研究する生物医学研究所として利用されている。

中国外務省の軍備管理局を率いるフー・コン事務局長は、中国に対する偽情報キャンペーンが展開されていると非難した。

また、武漢研究所リーク説の追及を却下し、「WHOの調査チームは3月に2回研究所を調査し、噂がウソであることを確認した」と述べた。

さらに、「WHOは3月の訪中時に、武漢研究所の調査をさらに追及するのであれば、フォート・デトリックも調査しなければならないと言った」と主張した。「WHOのチームは武漢だけでなく、公平にアメリカの研究所も調査すべきと言いました。テドロス博士は武漢研究所から漏れた説を除外すべきではないと言いましたが、彼は本当はどこを調査すべきか知っています。彼はアメリカの研究所に行くべきでしょう...」

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