◎19人は1月24日に南西部シアヌークビルで身柄を拘束され、内務省の取り調べを受けた後、首都プノンペンに送られた。
カンボジア、首都プノンペンの警察官(Getty Images)

カンボジアの入国管理局は7日、組織的なサイバー犯罪に関与した疑いで逮捕された日本人19人を日本に送還すると明らかにした。

同局の広報担当はAP通信の取材に対し、「在カンボジア・日本大使館が送還に向けた手続きを進めているが、日程は決まっていない」と語った。

公共放送NHKによると、警視庁はこの19人がカンボジアから組織的にインターネット・電話で詐欺を働いた容疑で逮捕状を発行したという。

19人は日本人を狙ったとされるが、詳細は明らかになっていない。

NHKは関係者の話として、「カンボジア当局は組織の拠点を捜索した際、詐欺の標的になったとみられる日本人の名前が記されたリストを押収した」と報じている。

19人は1月24日に南西部シアヌークビルで身柄を拘束され、内務省の取り調べを受けた後、首都プノンペンに送られた。

APの取材に応じた入国管理局の広報担当は捜査に支障が出るとして、19人の罪状と認否を明らかにしなかった。

カンボジア国営放送(TVK)によると、シアヌークビルにはサイバー犯罪組織の拠点が複数あるという。

TVKは警察筋の話を引用し、「シアヌークビルにはこの数年、悪名高いアジアや欧州の詐欺集団が進出し、インターネットや国際電話で詐欺を働いている」と報じた。

それによると、シアヌークビルの警察当局は日本人グループがインターネットや電話で金銭を要求しているという情報を受け、拠点とみられるホテルを捜索したという。

拘束された日本人たちは取り調べに対し、意に反して組織のリーダーに拘束されたり、恐喝されたりしたことを否定した。

19人は合法的にカンボジアを訪れ、仕事を求めていたとみられ、犯罪や不正行為には関与していないと主張しているようだ。

カンボジアでは昨年、サイバー犯罪が大きな問題となった。アジアをはじめとする様々な国の市民がカンボジアで「仕事」に誘われたという事例が多数報告されている。

勧誘に乗った市民はオンライン詐欺に加担させられたり、奴隷のような扱いを受け犯罪に加担せざるを得ない状況に陥るケースもあるという。

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