エア・インディア墜落事故、発生からまもなく1年、中間報告書公表へ、調査続く
事故は2025年6月12日、西部グジャラート州アーメダバードで発生した。
.jpg)
インド当局が昨年発生した国営エア・インディア機墜落事故の最終報告書ではなく、中間報告書を近く公表する方向で準備を進めていることが明らかになった。事故からまもなく1年を迎える中、調査の長期化を受けて、まずは暫定的な内容を公表する方針だという。事故はインド航空史上最悪級の惨事となり、調査結果に大きな注目が集まっている。
事故は2025年6月12日、西部グジャラート州アーメダバードで発生した。イギリス・ガトウィック空港に向かっていたエア・インディア171便(ボーイング787-8ドリームライナー)が離陸直後に墜落し、乗客乗員242人のうち241人が死亡した。さらに、墜落現場となった医科大学宿舎でも19人が死亡し、犠牲者は260人に上った。唯一の生存者は英国籍の男性乗客だった。
調査を進めるインド航空機事故調査局(AAIB)は昨年7月に予備報告書を公表している。それによると、機体が上昇中に両エンジンへの燃料供給がほぼ同時に遮断され、推力を失ったことが事故原因とみられている。燃料制御スイッチが「RUN」から「CUTOFF」に切り替わっていたことが確認されており、操縦室内の音声記録には、一方のパイロットが「なぜ燃料を切ったのか」と問いかける声も残されていた。
ただし、最終報告書の作成にはなお時間がかかる見通しだ。調査には米国家運輸安全委員会(NTSB)やボーイング社も関与し、関係各国との調整や意見交換が必要となる。そのため、AAIBはまず中間報告を出し、現在判明している内容や安全対策上の課題を公表する予定だという。
事故調査では燃料制御スイッチの不具合の可能性も焦点となっている。今年2月には別のエア・インディア787型機がロンドン発ベンガルール行きの飛行中、同様のスイッチ異常を訴える事案が発生した。インド当局はボーイング社のシアトル工場で実施されるスイッチ試験を視察する予定で、安全性の検証を進めている。
一方で、米側とインド側の調査関係者の間では、事故原因を巡る見解の違いも報じられている。一部の米国当局者や航空関係者は、機長が意図的に燃料供給を止めた可能性を重視しているが、インド側では慎重論も根強い。事故原因が機械的欠陥なのか人的要因なのかによって、航空業界全体への影響も大きく異なるためだ。
ボーイング787型機は長距離路線の主力機材として世界中で運航されている。今回の事故は787型機として初の死亡事故となり、航空安全への信頼にも影響を与えた。事故からまもなく1年を迎える中、遺族や航空業界はAAIBが公表する中間報告に注目している。
.jpg)
