◎28日午前の時点で2,000戸以上の民家が床上浸水し、周辺を流れる河川の状況によってはさらに10,000戸以上が被害を受ける可能性がある。
2022年2月28日/オーストラリア、ニューサウスウェールズ州リズモア(Jason O'Brien/AAP/AP通信)

2月28日、オーストラリア東部の一部地域で記録的な大雨による洪水が発生し、少なくとも8人が死亡、15,000人以上が避難所や高台に避難した。

クイーンズランド州ブリスベンとその周辺では100年に1度といわれる大雨が降り、当局のまとめによると、28日午前の時点で2,000戸以上の民家が床上浸水し、周辺を流れる河川の状況によってはさらに10,000戸以上が被害を受ける可能性があるという。

クイーンズランド州警察は28日午後の声明で、ブリスベン北部の河川で行方不明になった男性の死亡を確認したと発表した。亡くなった8人はすべてブリスベンの住民と伝えられている。

また同州の緊急対策本部によると、ブリスベンの南部とゴールドコーストの複数の河川で氾濫が確認されたという。州政府はヘリやドローンで現地の状況を確認しているが、被害の全容は分かっていない。

州政府は住民に安全を確保できない場合は最寄りの避難所や高台に移動し、確保できる場合はその場にとどまるよう勧告を出している。オーストラリア放送協会(ABC)によると、州の消防・救急サービスは多くの地点で道路が遮断されていると報告したという。

州の救急隊員はこの24時間で130人以上を救助したと発表した。27日にブリスベンの中心部を流れるブリスベン川に船から転落した乗組員の捜索は28日午前の時点で続いている。

ニューサウスウェールズ州リズモアでも河川の氾濫が報告されており、ABCによると、行方不明者が複数出ているとのこと。

クイーンズランド州のアナスタシア・パラシェ州首相は28日、ブリスベン周辺の雨量はこれまでに経験したことのないレベルに達したと述べた。

ブリスベン周辺ではこの5日間、断続的に雨が降り、27日から28日の大雨で小河川の水位が一気に上昇し、多くの地域で洪水が発生した。

ABCによると、ブリスベン市内の鉄道とフェリーは28日午前の時点で運行を停止しているという。

クイーンズランド州政府は声明の中で、「2~3日は河川の増水や洪水に警戒する必要がある」と市民に警戒を呼び掛けた。

NSW州リズモアの低地は車の屋根の高さまで水没し、当局によると、住民少なくとも15,000人が避難を余儀なくされたという。

2022年2月28日/オーストラリア、クイーンズランド州ブリスベンの通り(Darren England/AAP/AP通信)
スポンサーリンク