◎モリソン前首相はこのアプリを「日焼け止めと同じぐらい不可欠」と宣伝していた。
オーストラリアのコロナウイルス追跡アプリ「COVIDsafe」(Australian Broadcasting Corporation)

オーストラリア政府は10日、コロナウイルス感染者を追跡するために開発したアプリを「失敗」と呼び、国民に削除するよう呼びかけた。

バトラー(Mark Butler)保健相は前政権が開発した「COVIDsafe」を税金の無駄遣いと批判し、アプリを削除するよう国民に呼びかけた。

モリソン(Scott Morrison)前首相はこのアプリを「日焼け止めと同じぐらい不可欠」と宣伝していた。

しかし、多くの専門家がブルートゥースを使った追跡手法に疑問を呈していた。開発費は広告代込みで約6400万ドルと報告されている。

2020年4月にリリースされた国営アプリは、ダウンロードした人がコロナに感染したと登録することで効果を発揮する。しかし、ダウンロード数は伸びず、コロナは拡大し続けた。

バトラー氏は「このアプリをダウンロードしたあるユーザーが17人の感染者を特定した」と皮肉った。AUSの累計感染者はまもなく1000万人に到達する。

バトラー氏はアプリを失敗と批判し、今すぐ削除するよう呼びかけた。「このアプリが失敗作であることは明らかです」

COVIDsafeは世界のアップルとグーグルの援助を拒否したモリソン政権下で設計・製作された。

モリソン政権は50カ国以上で採用されているコンタクトトレーシング・システムを採用したが、このシステムは技術的な問題に悩まされ、うまく機能せず、忘れ去られようとしている。

アプリを正常に動作させるためにはiPhoneのロックを解除する必要があり、ユーザーは自分のデータが追加・使用されることに同意する必要があった。

オーストラリア放送協会(ABC)によると、このアプリは失敗の烙印を押され、8月16日に正式に廃止される予定。バトラー氏はダウンロード者の個人情報を確実に破棄すると約束した。

モリソン氏は以前、このアプリを「AUSへの航空券」と呼んでいた。

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