豪州、2060年代に死亡数が出生数を上回る見通し、少子高齢化で経済・社会に影響
報告書によると、オーストラリアの人口増加率は今後40年間で年平均0.9%となる見込みだ。
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オーストラリア財務省は21日、今後40年間の人口・経済・財政を分析した「世代間報告書」を公表し、2060年代に国内の死亡数が出生数を初めて上回るとの見通しを示した。出生率の低下と高齢化が進む一方、これまで人口増加を支えてきた海外からの移民流入も減少するため、人口動態が大きく変化すると予測している。
報告書によると、オーストラリアの人口増加率は今後40年間で年平均0.9%となる見込みだ。過去40年間の平均は1.4%であり、人口増加のペースは明確に鈍化する。移民は引き続き人口増加の主要な要素となるものの、純海外移民数は今後さらに減少した後、一定水準で安定すると予測されている。
少子化も大きな要因となる。オーストラリアの合計特殊出生率は2024~25年度に1.52まで低下、1994~95年度は1.85であった。2025~26年度には1.42まで低下するとの予測も示されている。
高齢化による社会保障や医療への負担も増える見通しだ。チャーマーズ(Jim Chalmers)財務相は、2066年までに85歳以上の人口が現在の約3倍になると述べ、医療サービスへの需要が一段と高まると指摘した。高齢者が多い地域では、医療や介護分野を中心に労働力不足が深刻化する可能性がある。これらの分野は移民労働者への依存度も高い。
今回の報告書は、高齢化と少子化に加え、人工知能(AI)の進展、地政学的分断、エネルギー転換、サービス産業への構造転換を、今後40年間の経済を左右する主要な変化として挙げた。政府は人口構造の変化だけでなく、こうした複数の要因が雇用や財政、社会保障に及ぼす影響への対応を迫られる。
オーストラリアは長年、出生率が低下する中でも移民によって人口増加を維持してきた。しかし、移民流入が鈍化すれば、人口構造の変化が経済成長や労働市場に直接影響する可能性が高まる。少子高齢化への対応と、医療・介護など必要な分野の労働力をどう確保するかが、今後の長期的な課題となる。
