豪州、120万戸の住宅建設目標に暗雲、人手不足深刻、資材価格の高騰も足かせに
政府の目標を達成するには、四半期ごとに平均6万戸を完成させる必要がある。
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オーストラリア政府が2029年までに120万戸の新築住宅を供給する目標の達成が難しくなっている。住宅不足の解消を掲げ、連邦政府と州政府は住宅開発の承認迅速化や土地開放などを進めてきた。しかし、建設現場では深刻な人手不足や資材価格の上昇、資金調達コストの増加が重なり、住宅供給のペースが目標に大きく届いていない。
政府の目標を達成するには、四半期ごとに平均6万戸を完成させる必要がある。ところが、合意から2年が経過した時点で完成戸数は必要な水準を27%下回っている。2026年第1四半期(1~3月)の新規住宅着工も前期比11.2%減少し、特に集合住宅の着工は20.7%落ち込んだ。住宅建設の長期化も深刻で、集合住宅の完成までの工期は10年前の21カ月から現在は33カ月に延び、一戸建ても8.6カ月から11.5カ月に伸びている。
背景には建設労働者の不足がある。2032年夏季五輪を控えるブリスベンでは、関連建設だけで約70億豪ドル規模の需要が見込まれ、住宅建設との間で労働力の奪い合いが起きている。実際、ある建設業者は日中に作業員を確保できず、照明を使って夜間にコンクリートを打設しているという。
資材費も業者の経営を圧迫している。ロイター通信によると、コンクリート価格は過去6年間で約1.5倍となり、石こうボードや松材も大幅に上昇した。採算が悪化する中、建設会社の倒産も高水準にある。2026年6月までの1年間に経営破綻手続きに入った建設会社は3472社に達した。
さらに、2020年以降に承認された集合住宅計画の約70%が着工に至っていない。高い建設費、人件費、金利が事業採算を悪化させているためだ。業界団体は、現状のままでは2029年の住宅供給目標を約15%下回ると予測する。住宅価格の抑制には税制だけでなく、建設労働者の確保や規制の簡素化、資材・資金面の供給制約を解消する政策が不可欠となっている。
