オーストラリア規制当局がテレグラムを提訴、過激派コンテンツ削除せず
2025年7月から10月にかけて、テレグラム利用者からテロ関連コンテンツ12件の通報を受けたが、このうち10件は通報後も閲覧可能な状態が続き、投稿に関係するアカウントやチャンネルも停止されなかったという。
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オーストラリアのインターネット規制当局は30日、通信アプリ「テレグラム」がテロを助長するコンテンツの削除を怠ったとして、法的措置を開始したと発表した。オンライン上の有害情報に対する監視を強化する豪州で、大手デジタルプラットフォームに対して安全基準の順守を求める姿勢を鮮明にした形だ。
訴えを起こしたのはオンライン・セーフティ委員会(eSafety Commissioner)である。それによると、2025年7月から10月にかけて、テレグラム利用者からテロ関連コンテンツ12件の通報を受けたが、このうち10件は通報後も閲覧可能な状態が続き、投稿に関係するアカウントやチャンネルも停止されなかったという。
問題とされた投稿には、イスラム過激派組織による処刑映像や、2019年のニュージーランド・クライストチャーチのモスク銃撃事件、2022年の米ニューヨーク州バファローで発生した銃乱射事件に関連する映像などが含まれていた。
委員会は声明で、「本件は近年で最も悪名高い過激派による暴力事件に関連するコンテンツを巡るものであり、放置されれば過激思想の拡散や模倣犯を助長する危険性がある」と指摘した。また、オンライン安全法に基づき、デジタルサービス事業者にはテロや過激主義に関する有害情報を迅速に検知、削除する義務があると強調した。
連邦裁判所が当局の主張を認めた場合、テレグラムには最大5460万豪ドル(約62億円)の制裁金が科される可能性がある。
これに対しテレグラムは、当局の主張を否定し、法廷で争う姿勢を示した。同社は2026年に入り、15万件を超える過激派関連のコミュニティを遮断した実績があると説明し、利用規約に違反するコンテンツへの対策を継続していると主張している。
世界で月間利用者数が10億人を超えるテレグラムは、プライバシー保護を重視するサービスとして知られる一方、暗号化機能や匿名性の高さから、過激派組織や犯罪組織による利用が以前から問題視されてきた。
今回の提訴は、各国政府が巨大IT企業に対し、有害情報の管理責任を厳しく問う流れを象徴する動きでもある。豪州は近年、オンライン上のテロ関連情報や児童性的搾取コンテンツへの対策を強化しており、プラットフォーム事業者に対する法的責任を拡大してきた。一方で、表現の自由や利用者のプライバシー保護との均衡をどう図るかという課題も残る。
今回の裁判の行方は、テロ対策とデジタルプラットフォームの責任を巡る国際的な議論にも影響を与える可能性がある。
