◎クジラは社会性が高く、コミュニケーションを取りながら集団で移動するため、集団で座礁することが多々ある。
2022年9月21日/オーストラリア、タスマニア州の西海岸(Department of Natural Resources and Environment Tasmania)

オーストラリア当局は21日、南部タスマニア州の西海岸に230頭以上のクジラが打ち上げられたと発表した。

州環境局によると、打ち上げられたクジラの半数以上がゴンドウクジラとみられ、まだ生きているという。政府の海洋保護チームとレスキュー隊が対応に当たっている。

クジラが座礁した原因は不明。この海岸では2年前にもヒレナガゴンドウ約470頭が打ち上げられている。

同州北部では20日にもマッコウクジラ14頭が打ち上げられ、政府のチームが調査に当たっている。この14頭は死んでいることが確認された。

オーストラリア放送協会(ABC)によると、専門家チームはクジラの救助を計画しているという。ABCは州環境局の声明を引用し、「救助作業は困難を極める」と報じている。

レスキュー隊はまだ息のあるクジラに布と海水をかけ、救助の準備を進めている。地元住民もバケツリレーに参加した。

州環境局によると、政府のチームは生存可能なクジラを沖に運ぶ予定。ABCの取材に応じた男性は、「救助隊は浅瀬までクジラを引っ張り、沖合に送り出す準備を進めている」と説明した。

クジラは社会性が高く、コミュニケーションを取りながら集団で移動するため、集団で座礁することが多々ある。

2020年9月には同じ海岸で500頭近くのゴンドウクジラが座礁し、大規模な救助活動が行われた。この時は400頭近くが死んだものの、約100頭を沖に逃がすことができた。

専門家によると、今回と前回の座礁は同じ月に発生しており、海水温の上昇が関係している可能性があるという。

「水温、環境の変化、エサの生息地の変化などにより、クジラが浅瀬に迷い込むことが増えている」と指摘する専門家もいる。

タスマニア島近海では多くのクジラが目撃されているが、この海域にクジラが集まる理由はハッキリしていない。

専門家によると、この海域は海洋生物が多く、クジラの数が増えるほど座礁のリスクも高まる。また、周辺の海流は複雑で、座礁のリスクを高めているという。

2022年9月21日/オーストラリア、タスマニア州の西海岸、クジラに海水をかける男性(Australian Broadcasting Corporation)
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