◎ベネズエラはガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と非難している。
ベネズエラ、首都カラカス郊外、陸軍兵士に手を振るマドゥロ大統領(AP通信)

ベネズエラ政府は30日、係争地エセキボ地域をめぐって英海軍がガイアナ沖に軍艦を派遣したことを非難し、同海軍がこの海域を離れるまで警戒態勢を維持すると表明した。

ベネズエラは東カリブ海に海軍の兵士ら約6000人を派遣し、防衛演習を実施している。

国防省はX(旧ツイッター)に声明を投稿。エセキボに印をつけた地図の前で演説する軍幹部の写真と映像を公開した。

軍当局者はエセキボ「我が領土」、イギリスを「朽ち果てた旧帝国」と呼び、東カリブ海に展開した部隊は「ベネズエラの主権を守っている」と主張した。

エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。

ベネズエラはガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と非難している。

軍当局は動画の中でこう述べている。「海兵隊たちはベネズエラ東部だけでなく、全領土の主権を守っている。イギリス帝国主義の船がベネズエラとガイアナ間の係争海域を離れるまで、海兵隊はそこにとどまるだろう...」

この動画は首都カラカスの軍事基地で撮影されたとみられる。

100年前から続く論争はマドゥロ政権が今月、エセキボに対するベネズエラの領有権主張の是非を問う国民投票を実施したことで激化した。

マドゥロ(Nicolás Maduro)大統領は95%が賛成票を投じたことを受け、エセキボに対する主張を強化。ガイアナを「ヤンキー帝国(米国)の傀儡」「泥棒野郎」と呼んだ。

両国の首脳は2週間前に署名したエセキボ地域に関する合意で「武力を行使しない」と約束したが、この論争に決着をつけるための協議を開始することには合意できなかった。

英海軍の軍艦は12月上旬、麻薬密売組織の取り締まりの一環としてバルバドスに派遣されていたが、24日に任務を変更し、ガイアナに向かった。

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