◎米国を含む西側諸国はグアイド氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。
2022年2月12日/ベネズエラ、首都カラカスで開催された選挙集会、野党党首のフアン・グアイド氏(中央)(Ariana Cubillos/AP通信)

ベネズエラの野党党首であるグアイド(Juan Guaido)氏は11日、全国遊説中に暴力を受けたと明らかにした。

グアイド氏の政党を含む野党連合は同日声明を発表。与党の支持者が犯行に及んだと非難した。

声明によると、グアイド氏は農村部を遊説中、何者かにシャツを引きちぎられ、羽交い絞めにされ、押し倒されたという。

野党は当時の写真を公表し、「マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領率いる与党、統一社会党(PSUV)が事件に関与した」と非難した。「グアイド氏に暴力を振るった男たちはPSUVとつながりのあるグループの構成員です。彼らはグライド氏を殴り、侮辱しました」

グアイド氏は自身のインスタグラムに声明を投稿し、この攻撃を「待ち伏せ」と呼ぶ一方、独裁政権打倒に向けた全国遊説をやめるつもりはないと強調した。「今日私を攻撃したマドゥロの仲間たちへ。私は暴力には屈しません...」

PSUVの指導部はソーシャルメディアや公共放送で声明を発表すると思われたが、AP通信によると、今のところこの事件に関するコメントは出ていないという。

グアイド氏の選挙活動はマドゥロ派の妨害に直面している。

西部の都市マラカイボで先週行われた集会ではグアイド氏の支持者がマドゥロ派に唾を吐きかけられ、殴り合いになったと伝えられている。

米国を含む西側諸国はグアイド氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。マドゥロ氏は2018年の大統領選で勝利を主張したが、欧米は野党候補に対する数多くの妨害行為などを理由に結果を拒否、ベネズエラに厳しい制裁を科した。

当時、グアイド氏は多くの支持者を街頭に集めたが、その勢いは完全に失われている。同氏の支持率は当時約60%まで上昇したが、現在は15%を下回っている。

ニコルズ(Brian Nichols)米国務次官補(西半球担当)は11日、グアイド氏に対する攻撃を非難した。「このひどい攻撃は人命を危険にさらすものであり、襲撃に関わった者は裁かれるでしょう」

マドゥロ氏の支配下に置かれたベネズエラの経済は右肩下がりで、2021年のGDPは10年前の2割以下に落ち込んでいる。

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