◎エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。
ベネズエラのマドゥロ大統領(ロイター通信)

ベネズエラ政府は11日、隣国ガイアナと領有権を争っている係争地エセキボ地域で違法な石油採掘が進められていると非難した。

マドゥロ(Nicolás Maduro)大統領の報道官は声明で、「我が国はエセキボで繰り広げられている犯罪行為を阻止する権利を留保する」と主張した。

ガイアナ政府は前日エセキボ近くでベネズエラ軍が何らかの動きを見せている証拠を入手したと明らかにしていた。

それによると、西側の同盟国が提供した衛星画像にはエセキボの国境近くに展開されたベネズエラ軍がバッチリ写っていたという。

エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。

ベネズエラ大統領府は声明の中で、「ガイアナが主張するエセキボにおける我が国の軍事強化は憲法に基づくものであり、我々は自国領土を防衛する権利を有している」と述べた。

また大統領府は、「ガイアナが我が国の海域で司法な石油採掘を許可したのである」と主張した。

米石油大手エクソンモービルは11日、領土問題がエスカレートしているにもかかわらず、ガイアナ沖の海底油田での生産を拡大し続けると言明した。

同社はガイアナ沖で日量64万5000バレルの石油を採掘している。

ガイアナの首脳は来月、マドゥロ氏との首脳会談を開き、この問題について協議する予定だ。

米政府高官はこの数週間、ガイアナへの連帯を示すために同国を何度か訪問している。

マドゥロ氏はガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と非難。エセキボを「我が領土」、イギリスを「朽ち果てた旧帝国」と呼んでいる。

マドゥロ政権は昨年末、エセキボに対するベネズエラの領有権主張の是非を問う国民投票を実施。マドゥロ氏は95%が賛成票を投じたことを受け、エセキボに対する主張を強化し、ガイアナを「ヤンキー帝国(米国)の傀儡」「泥棒野郎」と非難した。

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