◎エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。
ベネズエラのマドゥロ大統領(Fausto Torrealba/ロイター通信)

ガイアナ政府は10日、係争地エセキボ地域近くでベネズエラ軍が何らかの動きを見せている証拠を入手したと発表した。

それによると、西側の同盟国が提供した衛星画像にはエセキボの国境近くに展開されたベネズエラ軍が写っていたという。

エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。

ベネズエラの独裁者マドゥロ(Nicolás Maduro)大統領はガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と非難。エセキボを「我が領土」、イギリスを「朽ち果てた旧帝国」と呼んでいる。

マドゥロ政権は昨年末、エセキボに対するベネズエラの領有権主張の是非を問う国民投票を実施。マドゥロ氏は95%が賛成票を投じたことを受け、エセキボに対する主張を強化し、ガイアナを「ヤンキー帝国(米国)の傀儡」「泥棒野郎」と非難した。

ガイアナの外務省は声明で、「エセキボ周辺の状況を監視している」と述べた。

エセキボの領有権をめぐる問題が解決する目途は全く立っておらず、イギリスと米国をイラつかせている。

ガイアナとべネズエラの首脳は昨年12月に署名したエセキボ地域に関する合意で「武力を行使しない」と約束したものの、この問題に決着をつけるための協議を開始することには合意できなかった。

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