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米国、ガイアナのボーキサイト資源に関心、中国企業の存在感拡大に警戒

ガイアナは近年、大規模油田の発見によって世界的な注目を集めている。
ガイアナ、首都ジョージタウン(Getty Images)

米国が南米ガイアナのボーキサイト資源に強い関心を示している。背景には世界的なエネルギー供給不安と、中国による中南米での資源権益拡大への警戒感がある。米国務次官(経済担当)のジェイコブ・ヘルバーグ(Jacob Helberg)氏は今週、ガイアナを訪問し、アリ(Irfaan Ali)大統領ら政府高官と会談した。協議では、ボーキサイト開発や鉱物探査、インフラ整備への米国企業の投資可能性が議題となった。

ガイアナは近年、大規模油田の発見によって世界的な注目を集めている。人口80万人余りの小国ながら、原油輸出国として急速に存在感を高めており、今回の米国の接近も、その地政学的重要性の高まりを反映したものとみられる。さらに、ボーキサイトはアルミニウム製造に不可欠な原料でり、航空機、自動車、軍需産業など幅広い分野で需要が高い。世界的な供給網の再編が進む中、安定供給源の確保は米国にとって重要課題となっている。

トランプ政権は近年、ラテンアメリカの資源外交を強化している。ベネズエラでの石油生産拡大への関与や、ブラジルとの重要鉱物分野での協力模索など、中南米を「安定した資源供給地」として再評価する動きが目立つ。専門家は「世界的なエネルギー不足の時代において、ラテンアメリカへの注目が高まっている」と指摘し、その象徴がガイアナだと分析する。

一方で、米国が警戒しているのが中国企業の進出である。ガイアナのボーキサイト産業では、中国系企業が主要事業者として大きな影響力を持つ。中国企業は資金供与やインフラ建設、人材確保を一体で進める手法を得意とし、現地政府からも積極性を評価されてきた。これに対し、米国側には「中国に主導権を奪われた過去を繰り返したくない」との危機感がある。

ヘルバーグ氏は既知のボーキサイト埋蔵地だけでなく、新たな鉱物資源探査にも協力する考えを示した。高性能な調査技術を用いて未開発地域を探査し、将来的な鉱山開発につなげたい考えだ。また、道路整備や物流網強化によって、ガイアナを北部ブラジルとカリブ海を結ぶ物流拠点へ発展させる構想にも言及した。

ガイアナ政府も米国投資の拡大に期待を寄せている。ただし、単なる資源輸出ではなく、国内での加工や付加価値創出を重視する姿勢を示している。アリ氏の報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、「我々はボーキサイト加工産業やエネルギー供給改善への投資を求めている」と述べた。急成長する資源国家ガイアナをめぐり、米中両国の経済競争は今後さらに激化しそうだ。

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