犯罪がブラジル大統領選の争点に、リオ住民が非暴力のギャング対策を模索
犯罪対策が選挙の主要争点となる中、リオでは取り締まりだけでなく、教育、雇用、社会復帰を通じて犯罪組織への流入を防ごうとする地域の取り組みも広がっている。
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ブラジルで10月4日に行われる大統領選を前に、犯罪対策が争点の一つとなっている。特に犯罪組織の影響が強いリオデジャネイロでは、政治家が治安政策を競う一方、住民自身が若者の犯罪組織への加入を防ぎ、地域の安全を取り戻すための活動を進めている。
リオでは昨年、120人以上が死亡する過去最悪規模の警察作戦が実施された。強硬な治安政策を掲げるフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員は、犯罪組織による支配を弱めることを訴えている。一方、現職のルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は連邦政府の役割を強化し、連邦、州、市当局の連携を進める方針を示している。
こうした政治論争の一方で、リオの住民は別の方法で犯罪問題に向き合っている。元麻薬密売人らは、自らの経験を語るポッドキャストを制作し、犯罪の世界に入ろうとする若者に別の選択肢を示そうとしている。
2024年に始まった「01 Sobreviventes(01サバイバーズ)」には、刑務所で25年間を過ごした元密売人らが出演する。犯罪によって刑務所や障害、死に至る可能性があることを自身の経験から語り、犯罪から離れるよう呼びかけている。同番組はインスタグラムで22万5000人以上にフォローされているという。
格闘技を通じた若者支援も行われている。アラン・ドゥアルテ(Alan Duarte)氏が運営する非営利団体「アブラソ・カンペオン」は、ボクシング、柔術、ムエタイ、カポエイラなどを無料で教え、教育に関する講座も実施している。現在は約600人を受け入れており、将来的に1000人への拡大を目指している。
また、元犯罪組織関係者が運営する「R3」では、電気工事や冷蔵設備、英語などの無料講座を提供している。犯罪から離れた人が仕事を得られるよう支援することで、社会復帰を後押ししている。
警察と犯罪組織の武力衝突を中心とした現在の治安対策について、住民や地域指導者、専門家からは、無差別的な被害を生むとの懸念も出ている。2022年に17歳の息子を警察に殺害された女性は、若者向けの雇用や訓練の機会を増やす活動を始めた。
犯罪対策が選挙の主要争点となる中、リオでは取り締まりだけでなく、教育、雇用、社会復帰を通じて犯罪組織への流入を防ごうとする地域の取り組みも広がっている。
