セルビア大統領が辞任、首相に転身目指す、10月25日前倒し議会選
今回の選挙では、約2年にわたって続いてきた学生主導の反政府運動が大きな焦点となっている。
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セルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領が27日、大統領職を辞任した。10月25日に行われる解散総選挙で与党・セルビア進歩党(SNS)を率い、首相を目指すためだ。2期目の大統領任期は来年5月まで残っていたが、憲法上3選が認められていないことから、より権限の強い首相への転身を図る形となる。
ブチッチ氏は27日、「共和国大統領の職を辞任する」と表明した。これにより国会議長が大統領職を代行する。新議会の発足後に大統領が選出される予定で、今回の議会選挙とは別に大統領選が行われることになる。
今回の選挙では、約2年にわたって続いてきた学生主導の反政府運動が大きな焦点となっている。抗議デモの発端となったのは2024年11月、北部ノビサドの鉄道駅でコンクリート製の屋根が崩落し、16人が死亡した事故だった。学生らは事故の責任追及と汚職の根絶を求めて抗議を続け、早期の議会選挙を要求してきた。
学生運動は今回、大学教授や専門家、教師らを含む候補者を擁する「学生リスト」を立ち上げ、正式に選挙戦に参加した。学生らは法の支配や腐敗への対応を訴え、ブチッチ政権に対する対抗勢力として活動を広げている。
ブチッチ氏は2012年にSNSが政権を握って以降、首相または大統領としてセルビア政治の中心に位置してきた。一方、政府は権力集中やメディアへの圧力などで批判を浴びてきた。抗議デモへの警察対応をめぐっても国際的な懸念が示されている。
また、セルビアの欧州連合(EU)加盟交渉は民主主義や法の支配をめぐる問題などから停滞している。ブチッチ氏はロシアや中国との関係も維持しており、今回の選挙は国内政治だけでなく、セルビアの今後の外交・EU加盟路線にも影響する可能性る。
