SHARE:

ペルー左派大統領候補、中道層への支持拡大目指す、6月7日決選投票

4月の第1回投票ではフジモリ氏が得票率17.18%で首位、サンチェス氏は約12%で決選投票に進出した。
2026年4月16日/ペルー、首都リマ、大統領候補のサンチェス氏(ロイター通信)

6月7日に決選投票を迎えるペルー大統領選で、左派候補のロベルト・サンチェス(Roberto Helbert Sánchez Palomino)氏が中道層への支持拡大を目指し、従来の急進的な主張を抑えた現実路線を前面に打ち出している。右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏との接戦が続く中、経済の安定と政治改革を両立させる姿勢を訴え、浮動票の取り込みを図っている。

サンチェス氏は左派政党に所属する国会議員で、失脚したカスティジョ(Pedro Castillo)元大統領の政権で閣僚を務めた経歴を持つ。これまで新憲法制定や鉱業部門への規制強化、天然資源に対する国家の関与拡大を主張してきたが、決選投票を前に経済政策のトーンを軟化させている。

その象徴が、穏健派経済学者として知られるフランケ(Pedro Francke)氏の起用だ。フランケ氏は市場に対し、国有化や急進的な経済改革は行わず、財政の安定を維持する考えを示している。サンチェス陣営は、国際情勢の不安定化やエネルギー価格上昇への対応には現実的な経済運営が必要だとして、有権者の不安払拭に努めている。

4月の第1回投票ではフジモリ氏が得票率17.18%で首位、サンチェス氏は約12%で決選投票に進出した。その後の世論調査によると、両候補の差はわずかで、多くの有権者が態度を決めていない。無効票や棄権を検討する有権者も多く、最終盤まで予断を許さない状況だ。

一方で、サンチェス氏には課題も残る。弾劾・逮捕されたカスティジョ氏との近い関係や、民族主義色の強い政治勢力との連携が中道層の警戒感を招いている。また、自身を巡る金融犯罪疑惑も選挙戦の重荷となっている。これに対し同氏は、汚職対策や治安改善を重視する姿勢を示し、農村部や先住民の声を政治に反映させる改革を訴えている。

ペルーでは過去10年間で政権交代が相次ぎ、有権者の政治不信が根強い。こうした中で行われる今回の決選投票は、同国の今後の政治的安定と経済運営の方向性を左右する重要な選択となる。サンチェス氏が中道層への浸透に成功するのか、それともフジモリ氏が保守票を固めて勝利するのか、国内外の注目が集まっている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします