ペルー大統領選決選投票、ケイコ・フジモリ氏が僅差でリード、6月7日投開票
フジモリ氏は1990年代に強権的な政治手法で知られた故アルベルト・フジモリ元大統領の長女で、今回が4度目の大統領選挑戦となる。
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南米ペルーで6月7日に行われる大統領選決選投票を前に、右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏が左派のロベルト・サンチェス(Roberto Helbert Sánchez Palomino)氏をわずかにリードしていることが、複数の世論調査で明らかになった。選挙戦は終盤を迎えているが、依然として多くの有権者が態度を決めておらず、予断を許さない状況が続いている。
調査会社イプソス・ペルー5月29~30日に実施した世論調査では、フジモリ氏の支持率は38%で、サンチェス氏の35%を3ポイント上回った。また、地元メディアの調査でも、フジモリ氏が39.8%、サンチェス氏が35.9%となり、同様に接戦ながらフジモリ氏が優勢となった。一方で、白票や無効票を投じる意向を示した有権者や、投票先を決めていない層は約27%に達し、最終結果を左右する最大の要因になるとみられている。
フジモリ氏は1990年代に強権的な政治手法で知られた故アルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の長女で、今回が4度目の大統領選挑戦となる。4月の第1回投票では約17%の得票率で首位に立ち、決選投票進出を決めた。近年のペルーでは治安悪化への不満が高まっており、フジモリ氏は犯罪組織やギャングに対する強硬な取り締まりを公約に掲げている。選挙戦では父親が1990年代に実施した反ゲリラ政策を引き合いに出し、「犯罪との全面戦争」を訴えて支持拡大を図ってきた。
これに対し、サンチェス氏は左派勢力を代表する候補として出馬している。労働者保護や社会福祉の拡充、資源開発利益の再分配などを主張し、地方や低所得層から支持を集めている。サンチェス氏は失脚したカスティジョ(Pedro Castillo)元大統領に近い立場とされるが、市場関係者や経済界からは急進的な政策への警戒感も根強い。
今回の選挙の背景には、長年続く政治不安がある。ペルーでは近年、大統領の罷免・逮捕が相次ぎ、政権交代が繰り返されてきた。政治家に対する不信感は強く、有権者の間では既存政治への失望が広がっている。そのため、決選投票では候補者への積極的支持よりも、「より避けたい候補を阻止するための投票」が増えるとの見方も出ている。
フジモリ氏自身も過去の選挙で僅差の敗北を繰り返し、その政治的評価は大きく分かれる。支持者は治安回復や経済安定への期待を寄せる一方で、反対派はフジモリ家を巡る汚職問題や権威主義的な政治手法への懸念を指摘している。こうした賛否の分裂は今回の選挙でも鮮明となっている。
両候補は決選投票直前の討論会で支持拡大を狙う構えだ。支持率の差は統計上の誤差に近く、なお多数の浮動票が残されていることから、選挙結果は最後まで見通せない。政治的混乱が続くペルーにおいて、有権者がどのような選択を下すのかに国内外の注目が集まっている。
