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米領バージン諸島で大規模停電、発電所でトラブル、復旧の目途立たず

最初の停電は30日夜に発生。作業員らが夜通し復旧作業を進め、一部地域では送電が再開されたものの、数時間後の31日朝に再び全域停電が発生した。
米領バージン諸島(Getty Images)

米領バージン諸島のセントトーマス島とセントジョン島で5月31日、この週末で2度目となる大規模停電が発生し、両島の住民およそ4万6000人が影響を受けた。電力供給を担うバージン諸島水道電力局(WAPA)によると、発電所で発生した電力供給能力の喪失が原因で、島全体が停電状態に陥ったという。

最初の停電は30日夜に発生。作業員らが夜通し復旧作業を進め、一部地域では送電が再開されたものの、数時間後の31日朝に再び全域停電が発生した。電力網の不安定さが改めて浮き彫りとなり、住民の間で不安が広がっている。SNS上では政府や電力当局に対する批判が相次ぎ、「日常生活が成り立たない」との声も上がった。

米領バージン諸島では近年、停電が深刻な社会問題となっている。ブライアン(Albert Bryan Jr.)知事は連邦政府の資金約1億ドルを活用し、老朽化した電力インフラの改善を進めてきた。しかし、設備更新は十分に進まず、依然として不安定な供給状況が続いている。4月には当局が議会に対し、暴風雨による被害、発電設備の不足、機器故障、保守作業の遅れなどが停電多発の主因であると説明していた。

背景には長年放置されてきたインフラ老朽化の問題がある。米エネルギー情報局によると、同地域で稼働する石油火力発電設備の半数以上は運転開始から25年以上が経過している。また、2017年にカリブ海を襲った大型ハリケーン・イルマとマリアは送配電網の最大9割に大きな被害を与え、その後の復旧作業も十分とは言えない状況が続いている。

WAPAは今後数カ月以内に、主要発電所に仮設発電設備と大容量蓄電池システムを導入する計画を明らかにしている。これにより停電回数の削減を目指すとしているが、住民の不信感は根強い。再生可能エネルギーの導入率は発電能力全体の約3%にとどまり、電力料金も1キロワット時当たり平均33セントと全米平均の約2倍に達している。高額な電気料金を負担しながら不安定な供給に苦しむ現状に対し、抜本的な改革を求める声が高まっている。

今回の停電は島嶼地域が抱えるエネルギーインフラの脆弱性を改めて示す出来事となった。観光業が主要産業である同地域にとって、電力供給の安定化は経済活動や住民生活を支える重要課題であり、当局の対応が厳しく問われている。

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