マルタ議会選挙、与党・労働党が勝利、投票率87.4%
今回の選挙は任期満了を待たず、アベラ氏が約1年前倒しで実施を決定した。
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地中海の島国マルタで5月30日に行われた総選挙について、アベラ(Robert Abela)首相率いる与党・労働党が勝利し、過去最多となる4期連続の政権維持を決めた。開票結果によると、労働党は議会(一院制、定数79)で安定多数を確保し、2013年以来続く長期政権をさらに延長することになった。
アベラ氏は5月31日、勝利宣言の中で「これはすべての国民の勝利だ」と述べ、選挙公約への支持が示されたとの認識を示した。また、国民の結束を維持しながら国の発展を進める考えを強調した。アベラ氏は2020年にムスカット(Joseph Muscat)前首相の後任として首相に就任し、今回が党首として2度目の総選挙勝利となる。
今回の選挙は任期満了を待たず、アベラ氏が約1年前倒しで実施を決定した。政府は地政学的不安定化や経済環境の変化に対応するため、新たな信任を国民に求める必要があると説明していた。選挙戦では経済運営が最大の争点となり、与党は好調な経済成長や低失業率、エネルギー価格抑制策などを実績として訴えた。
マルタ経済は近年、欧州連合(EU)加盟国の中でも高い成長率を維持している。政府統計では2025年のGDP経済成長率は4%に達し、失業率も極めて低い水準にある。観光業や金融サービス業を中心に経済は堅調で、こうした安定感が有権者の支持につながったとみられている。
一方で、野党・国民党も一定の成果を上げた。党首が敗北を認めたものの、前回2022総選挙で約3万9000票あった与党との票差を約1万8000票まで縮小した。住宅価格や家賃の上昇、急速な人口増加による交通渋滞やインフラ不足など、生活環境の悪化を訴えた主張が一定の共感を集めた形だ。
投票率は87.4%と前回をわずかに上回り、欧州でも際立って高い水準となった。マルタでは伝統的に二大政党制が続いており、今回も6政党が立候補したものの、議席獲得に必要な支持を得たのは労働党と国民党のみだった。政治的対立は続いているが、有権者の政治参加意識の高さが改めて示された。
首都バレッタの労働党本部周辺では勝利を祝う支持者らが集まり、車列や花火で祝賀ムードに包まれた。支持者たちは4本の指を掲げ、歴史的な4期連続政権の実現を象徴した。アベラ氏は6月1日に新政権を発足させる予定で、今後は経済成長を維持しながら住宅問題や社会基盤整備への対応が課題となる。長期政権への評価と改革への期待が交錯する中、労働党政権は新たな任期を迎えることになった。
