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ミレイ氏「アルゼンチン嫌悪容認しない」大統領令に署名

大統領府によると、新たな措置では、口頭や文書、オンライン上でアルゼンチン人に対する憎悪や差別、暴力を扇動した外国人や、国旗などの国家の象徴を冒瀆したと判断された外国人に対し、査証(ビザ)取り消しや入国拒否、国外退去を命じることが可能となる。
アルゼンチンのミレイ大統領(Getty Images)

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領は30日、アルゼンチンに対する憎悪や差別をあおる外国人の入国を拒否したり、国内に滞在する外国人を国外退去処分にしたりできるようにする大統領令に署名した。政府は近年、移民政策の厳格化を進めてきたが、国家や国民に対する「憎悪表現」を理由として入国拒否や強制退去を可能にする措置は大きな転換点となる。

大統領府によると、新たな措置では、口頭や文書、オンライン上でアルゼンチン人に対する憎悪や差別、暴力を扇動した外国人や、国旗などの国家の象徴を冒瀆したと判断された外国人に対し、査証(ビザ)取り消しや入国拒否、国外退去を命じることが可能となる。政府は声明で「国家、国民、国家の象徴を守ることは交渉の余地がない」と強調し、「アルゼンチンを攻撃する者は歓迎されない」との立場を示した。

今回の措置の背景にはFIFAワールドカップ北中米大会でのアルゼンチン代表を巡る国際的な批判がある。大会では判定を巡る論争や、一部のサポーターや選手の振る舞いが物議を醸し、SNS上ではアルゼンチン社会全体を批判する投稿が相次いだ。代表チームを大会から除外するよう求めるオンライン署名も広がり、政府はこうした動きを「反アルゼンチン・キャンペーン」と位置付けている。ミレイ氏は左派政権や米民主党勢力などが批判を扇動しているとの見方も示していた。

一方で、大統領令は思想や政治、学術的な批判そのものを処罰対象とするものではなく、表現の自由は保障されるとしている。しかし、「憎悪」や「差別」の定義は明確ではなく、どのような発言が処分対象となるのかは今後の運用に委ねられる。このため、人権団体や法律の専門家からは、政府による恣意的な運用や言論の自由への萎縮効果を懸念する声も上がっている。

アルゼンチンは憲法で移民の受け入れを奨励し、長年にわたり外国人に比較的広い権利を認めてきた。しかし、ミレイ政権は2025年以降、移民制度を相次いで見直し、市民権取得や滞在資格の要件を厳格化するなど、管理を強化している。今回の大統領令は、そうした流れをさらに推し進める措置として、国内外で議論を呼びそうだ。

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