ブラジル大統領選、ルラ氏の支持率上昇、右派候補はスキャンダルで失速
調査は米ブルームバーグとアトラスインテルが実施したもので、決選投票を想定した場合、ルラ氏の支持率は48.9%となり、フラヴィオ氏の41.8%を上回った。
とフラヴィオ・ボルソナロ上院議員(Bloomberg).jpg)
今年10月に予定されているブラジル大統領選の最新の世論調査で、現職のルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の支持率が右派の有力候補であるフラヴィオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員を逆転したことが明らかになった。
調査は米ブルームバーグとアトラスインテルが実施したもので、決選投票を想定した場合、ルラ氏の支持率は48.9%となり、フラヴィオ氏の41.8%を上回った。4月時点の調査ではほぼ拮抗しており、フラヴィオ氏がわずかに優勢とみられていたが、ここにきて情勢が変化した形だ。
背景には、フラヴィオ氏と経営破綻した金融機関「バンコ・マスター」の元オーナー、ダニエル・ボルカロ(Daniel Volcaro)氏との関係を巡る疑惑がある。ボルカロ氏は中央銀行元幹部への贈賄容疑などで捜査対象となっており、今年3月に逮捕された。現地報道によると、フラヴィオ氏は父親であるボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領を題材にした映画製作への資金提供をボルカロ氏に依頼していたとされ、音声メッセージの存在も報じられた。
フラヴィオ氏は不正行為を否定し、資金提供の話しはあくまで民間プロジェクトに関するもので、公的な便宜供与は一切なかったと説明している。また投資協議を打ち切ったとしている。しかし、当初はボルカロ氏との接点自体を否定していたことから、野党や一部保守派内部からも説明責任を求める声が上がっている。
この疑惑は金融市場にも影響を及ぼした。報道直後、ブラジル通貨レアルは急落し、主要株価指数ボも下落した。市場では右派候補の失速が政局不安につながるとの見方が広がっている。
今回の大統領選はルラ政権の継続か、ボルソナロ派による政権奪還かを争う選挙となる。これまで複数の調査では両陣営が接戦を演じていたが、今回のスキャンダルが有権者心理に影響を与えた可能性がある。もっとも、依然として支持率差は決定的ではなく、今後の捜査の進展や選挙戦略によって情勢が可能性もある。
