ベネズエラ債務再編、米投資銀行ラザードが契約獲得目指し政府に提案
ロイター通信によると、ラザードは約2500万ドルの報酬で業務を引き受ける提案を行った。
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南米ベネズエラが進める巨額の債務再編をめぐり、米投資銀行ラザードが同国政府の財務アドバイザー契約獲得に向けて新たな提案を行ったことが明らかになった。暫定政権はすでに合併・買収(M&A)のアドバイザリー業務などを行う米投資銀行センタービュー・パートナーズを起用しているが、ラザードは大幅に低い報酬体系を提示し、契約の見直しを求めている。今回の動きは世界でも最大規模のソブリン債務再編の行方に影響を与える可能性がある。
ロイター通信によると、ラザードは約2500万ドルの報酬で業務を引き受ける提案を行った。一方、センタービューが政府側と協議していた契約では、月額75万ドルの顧問料に加え、再編対象債務額の0.1%を成功報酬として受け取る内容が検討されていたとされる。その場合、総報酬額は1億5000万〜2億ドルに達する可能性があり、ラザード側は「世界最高水準の債務再編助言をより低コストで提供できる」と主張している。
しかし、ベネズエラ政府は14日、改めてセンタービューを財務アドバイザーとして選定した方針を維持すると表明した。政府は声明で、選定にあたっては経験や専門性、分析能力、そしてベネズエラの特殊事情への理解を重視したと説明し、「これらの基準に基づきセンタービューを選んだ」と強調した。センタービュー側も報酬は市場水準に沿ったもので、高額契約との見方を否定している。
ベネズエラは2017年以降、対外債務の支払いを停止している。国債と国営石油会社PDVSAの債券を合わせると約600億ドルがデフォルト状態にある。さらに、国際仲裁による賠償金や未払い利息などを含めた総負債額は1500億ドルを超えると推計されている。このため今回の債務再編は、近年の新興国市場における最大級の金融交渉の一つとみられている。
ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領は先月、国家債務とPDVSA債務の包括的な再編手続きを開始した。目的は過大な債務負担を軽減し、国際金融市場への復帰を実現することにある。再編が成功すれば、外国投資の呼び込みや石油産業への資本流入が進み、長年の経済危機からの回復を後押しする可能性がある。発表後にはベネズエラ関連債券価格も上昇し、市場は再建への第一歩として好意的に受け止めた。
一方で、センタービューの選定過程については透明性を疑問視する声も出ている。正式な入札手続きを経ずに契約が決定したことから、一部の投資家や関係者は公平性に懸念を示している。ラザードによる今回の提案は、こうした批判を背景に再競争を促す狙いもあるとみられる。
ベネズエラの債務再編は政府の財政再建だけでなく、国際金融市場との関係修復や石油輸出国としての復活を左右する重要な課題である。アドバイザー選定をめぐる攻防は、その巨大プロジェクトの主導権を争う金融業界の競争の激しさを映し出している。今後、政府がセンタービューとの契約を維持するのか、それとも条件見直しに踏み切るのかが注目される。
