オランダで米テスラの「自動運転」の導入進む、4万台が利用
FSDは「完全自動運転」を意味するような名称が付けられているが、法的には自動運転システムではなく高度な運転支援システムに分類される。
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オランダの自動車規制当局RDWは17日、国内で約4万台のテスラ車が「フルセルフドライビング(FSD)スーパーバイズド」と呼ばれる運転支援ソフトウェアを利用していると発表した。今年4月に欧州で初めて公道利用を承認して以降、対象車両は累計2400万キロメートルを走行したが、重大な事故は確認されていないという。
FSDは「完全自動運転」を意味するような名称が付けられているが、法的には自動運転システムではなく高度な運転支援システムに分類される。車両はステアリング操作や加減速、ブレーキ制御を自動で行うことができる一方、運転者は常に前方を監視し、必要に応じて即座に介入できる状態を維持しなければならない。
RDWは4月、約18カ月に及ぶ試験と評価を経てFSDの使用を承認した。試験ではテストコースや欧州の一般道路で長期間にわたり性能や安全性が検証された。当局はこの技術が交通安全の向上に寄与する可能性があると判断した一方、新技術であることから通常の年次監査ではなく、月次ベースで運用状況を監視している。
今回の承認はテスラにとって欧州市場拡大の重要な足掛かりとなっている。オランダは欧州で初めてFSDを認可した国となり、RDWは欧州連合(EU)全域での承認取得に向けて欧州委員会へ提案を行っている。すでにベルギーやデンマーク、エストニアなどでも関連する承認手続きが進んでおり、将来的にはEU各国への普及が加速する可能性がある。
一方で、テスラの安全性主張を巡る議論も続いている。ロイター通信は今月、同社が欧州規制当局への説明の中で、FSDが人間の運転より大幅に安全であるとする統計を提示したものの、一部の専門家から比較手法や前提条件に問題があるとの指摘が出ていると報じた。これに対しオランダ政府は、RDWの承認判断はテスラが提示した統計ではなく、独自の試験と評価に基づいて行われたと説明している。
欧州では自動運転技術の導入が米国や中国に比べて慎重に進められてきた。歴史的な市街地や自転車利用者の多さなど、複雑な交通環境への対応が求められるためだ。オランダ当局は今後も継続的な監視を通じて安全性を確認するとともに、FSDの実績が欧州全体の規制議論に影響を与える可能性があるとしている。テスラの運転支援技術が欧州の交通環境でどこまで受け入れられるか、今後の動向が注目される。
