◎銃撃戦の舞台になったリトアル刑務所の所長は、「少なくとも3つの組織の構成員が銃と爆発物で武装していた」と述べた。
2021年11月13日/エクアドル、グアヤス州グアヤキルの刑務所近く(Getty Images/AFP通信)

11月13日、エクアドルの港湾都市グアヤキルにある刑務所内で銃撃戦が発生し、これまでに少なくとも68人の死亡が確認された。

警察当局によると、銃撃戦に関与したのは国際的な麻薬カルテルとつながりのあるギャングと別のギャングで、銃撃戦は約8時間続いたという。警察はツイッターアカウントに、これまでに受刑者68人の死亡を確認し、25人が負傷したと投稿した。

グアヤス州の州知事は声明で、「ギャングたちはライバル組織の構成員を虐殺するために銃を乱射し、ダイナマイトを仕掛け、建物を燃やした」と述べた。地元メディアによると、複数のギャングが斬首されたという。

銃撃戦の舞台になったリトアル刑務所の所長は記者団に対し、「少なくとも3つの組織の構成員が銃と爆発物で武装していた」と述べた。

地域の支配権をめぐるギャング間の抗争は後を絶たず、9月末に同刑務所内で発生した銃撃戦では100人以上の受刑者が死亡した。ギジェルモ・ラッソ大統領は10月初めに非常事態を宣言し、刑務所に国軍の兵士を配備することを許可した。

9月の抗争に関与したとされるメキシコのシナロアカルテルとハリスコ新生代カルテルは、エクアドルを含む中南米で絶大な影響力を誇っている。

シナロアカルテルは1980年代後半に設立されメキシコ最大の犯罪組織で、麻薬密売、マネーロンダリング、武器密売、殺人、誘拐、拷問などを生業としている。構成員は推定30,000人。

ハリスコ新生代カルテルは2009年に誕生した比較的新しい麻薬カルテルだが、数年でメキシコの№2に成長し、シナロアカルテルや他の武装勢力と激しく対立している。

エクアドルの地元メディアによると、今年これまでに刑務所内の抗争で死亡した受刑者は300人近くに達したという。

ラッソ大統領は13日の声明で、「エクアドルは受刑者を含む全国民の基本的人権と生きる権利を保障しなければならない」と述べ、先日、憲法裁判所が刑務所内への兵士の配備は違憲と裁定したことに懸念を表明した。兵士は現在、刑務所の外に配備されている。

リトアル刑務所の近くに集まった受刑者の家族や関係者と思われる人々は、事件の早期解決と刑務所の治安の改善をメディアに訴えた。ある女性は地元メディアに、「警察はカルテルに圧倒されている」と嘆いた。「ラッソ大統領は警備を強化すると言いましたが、何も変わっていません。刑務所に軍を配備してください...」

地元メディアによると、国内の刑務所に収容されている囚人は収容可能人数30,000人を大きく超える約40,000人で、このうち1,500人は刑を宣告されていないという。リトアル刑務所の収容可能人数は5,300人だが、現在約8,500人が収容されている。

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