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ラテンアメリカでトランプ氏を支持する保守派が台頭、勢力拡大

コロンビアでは22日に開票が進められ、実業家で弁護士のデラエスプリエジャ氏が与党系の左派候補セペダ上院議員を上回った。
2026年6月14日/コロンビア、大統領候補のデラエスプリエジャ氏の選挙集会(AP通信)

中南米で保守・右派勢力の台頭が鮮明になっている。6月21日に行われたコロンビア大統領選の決選投票では、トランプ(Donald Trump)米大統領の支持を受けた右派候補デラエスプリエジャ(Abelardo De La Espriella)氏が勝利を確実にし、左派政権からの転換が現実味を帯びた。近年の中南米ではアルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領やエクアドルのノボア(Daniel Noboa)大統領をはじめ、治安対策や小さな政府を掲げる保守系指導者が相次いで誕生しており、地域の政治潮流は大きく右傾化している。

コロンビアでは22日に開票が進められ、実業家で弁護士のデラエスプリエジャ氏が与党系の左派候補セペダ(Iván Cepeda)上院議員を上回った。同氏は「エル・ティグレ(虎)」の愛称で知られ、犯罪組織や左翼ゲリラへの強硬姿勢を前面に打ち出した。和平交渉の打ち切りや巨大刑務所の建設を公約に掲げ、治安回復を最優先課題として訴えた。トランプ氏も選挙戦で支持を表明し、「法と秩序を取り戻せる候補」と評価した。

こうした動きの先駆けとなったのがアルゼンチンのミレイ氏である。「ライオン」の異名を持つ同氏は2023年の大統領選で勝利し、急進的な自由主義経済政策を推進した。公務員削減や補助金縮小、歳出削減など大胆な緊縮策によって慢性的なインフレ抑制に一定の成果を上げた一方、生活費上昇や公共サービス縮小への不満も広がっている。それでも既成政治への反発を背景に、同氏は依然として保守派支持層から強い支持を受けている。

エクアドルでは2025年に再選したノボア氏が麻薬カルテルとの戦いを国家の最優先課題に位置付けた。軍を積極的に治安維持に投入し、米国との安全保障協力も強化している。しかし、人権侵害や超法規的措置への懸念も指摘されており、「強い国家」を求める世論と民主的統制とのバランスが課題となっている。

保守化の流れは中米や南米南部にも広がっている。ホンジュラスでは保守政党のアスフラ(Nasry Asfura)氏が大統領に就任し、移民政策で米国との連携を強めた。チリでは保守派のカスト(José Antonio Kast)大統領が治安対策や不法移民対策を掲げて当選し、国境管理の強化を進めている。さらにコスタリカでは先月、フェルナンデス(Laura Fernández Delgado)大統領が就任し、令状なし逮捕を可能にする非常措置や巨大刑務所建設など、厳格な治安政策を打ち出している。

これらの指導者に共通するのは、犯罪対策の強化、移民流入への警戒、小さな政府志向、そしてトランプ政権との協調姿勢である。中南米では近年、麻薬犯罪の拡大や経済停滞、既成政党への不信が深刻化しており、有権者の間で「強い指導者」を求める傾向が強まっている。トランプ氏の政治手法やメッセージに共鳴する候補者が支持を広げている背景には、こうした社会不安の存在がある。

一方で、こうした右派勢力の伸長に対しては懸念の声も上がる。デラエスプリエジャ氏については、民主制度や人権保護への影響を危惧する指摘があり、治安対策を名目とした権力集中を警戒する見方も少なくない。アルゼンチンやチリでも緊縮財政や公共部門削減への反発が続いている。

中南米は2000年代以降、「ピンクタイド」と呼ばれる左派政権の時代を経験したが、現在はその潮流が後退しつつある。コロンビアでの右派勝利はその流れを象徴する出来事となった。犯罪や経済停滞への不満を背景に広がる保守化の波が今後どこまで続くのか。ブラジルなど今後の主要選挙の行方も含め、中南米政治は大きな転換点を迎えている。

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