チリ銅大手コデルコ「今後数年間、銅の生産量横ばい」目標達成に不透明感
世界最大の銅生産国であるチリにとって、コデルコの生産動向は世界の銅供給や価格形成にも大きな影響を与える。
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チリの国営銅生産会社コデルコのフォンテイン(Bernardo Fontaine)会長は15日、同社の銅生産量について、今後数年間は現在の水準から大きく増加しないとの見通しを示した。長年掲げてきた2030年までに年間170万トンへ生産量を引き上げる目標の達成に不透明感が漂っている。
コデルコは世界最大の銅生産企業として知られるが、2022年と2023年には鉱石品位の低下や老朽化した鉱山の更新工事の遅れなどが重なり、生産量は約25年ぶりの低水準に落ち込んだ。その後は回復基調にあるものの、2025年の生産量は約133万トンにとどまり、本格的な増産には至っていない。フォンテイン氏は議会で、生産能力回復のために進めてきた複数の大型プロジェクトが、予想以上の工期延長や建設コストの増加に直面していると説明した。
同社はこれまで、老朽化した主要鉱山の更新や地下採掘への移行を柱とする構造改革を進めてきた。しかし、鉱山開発は技術的な難易度が高く、資材価格や人件費の上昇も重なってたびたび計画修正を余儀なくされている。このため、従来想定していたような急速な生産拡大は難しいとの見方が広がっている。
一方で、コデルコは将来的な成長に向けた投資機会の検討を続けている。その一つが米資源大手フリーポート・マクモランとの共同事業である銅鉱山の拡張計画だ。総額75億ドル規模とされるこのプロジェクトでは、生産能力の大幅な拡大が期待されるが、フォンテイン氏は「慎重な評価が必要だ」と述べ、採算性や投資効果を精査する考えを示した。
さらに同社を巡っては、生産実績の報告を巡る問題も浮上している。チリ銅委員会(Cochilco)は、2025年の生産量報告で約2万トンが過大計上された可能性について監査を進めており、2026年9月までに予備調査結果を公表する予定である。監査結果によっては、コデルコの生産実績や経営管理の信頼性に影響を及ぼす可能性もある。
銅は電気自動車や送配電設備、データセンターなど脱炭素化やデジタル化を支える重要資源として需要拡大が見込まれている。世界最大の銅生産国であるチリにとって、コデルコの生産動向は世界の銅供給や価格形成にも大きな影響を与える。今後は既存鉱山の生産性向上と大型投資の成否が、同社の長期的な競争力を左右することになりそうだ。
