SHARE:

カナダの山火事拡大、米国に煙流入、17州が大気質警報発令

気象当局によると、高気圧の影響で煙が地表付近に滞留しやすくなり、風向きによっては今後も広範囲で煙の影響が続く可能性がある。
2026年7月15日/米ニューヨーク市、カナダの山火事の煙が流れ込んだ様子(ABCニュース)

カナダで発生している大規模な山火事の煙が国境を越えて米国に流入し、中西部から北東部にかけて少なくとも17州で大気質警報が発令された。煙の影響で空はかすみ、視界が悪化したほか、市民には不要不急の外出や屋外での激しい運動を控えるよう呼びかけられている。専門家は微小粒子状物質(PM2.5)を多く含む山火事の煙は健康への影響が大きく、特に高齢者や子ども、呼吸器や心疾患を持つ人は注意が必要だとしている。

被害が拡大しているカナダ・オンタリオ州では、猛烈な勢いで炎が森林を焼き尽くしている。地元住民の一人は米ABCニュースの取材に対し、「木々が数秒で焼失した」と当時の状況を振り返り、強風にあおられた炎が瞬く間に広がった様子を説明した。火災の接近に伴い、一部地域の住民が避難を余儀なくされ、消防隊による消火活動も難航している。

流れ込んだ煙は米国各地の大気環境にも大きな影響を与えている。ミシガン州デトロイトやイリノイ州シカゴなどでは世界でも最悪水準の大気汚染指数を記録する時間帯があり、空がオレンジ色に染まる異様な光景が広がった。

各州政府は大気質警報を発令するとともに、住民に対し、屋内待機や高性能マスクの着用、空気清浄機の活用などを推奨している。また、一部自治体ではN95やKN95マスクの配布も始まった。

気象当局によると、高気圧の影響で煙が地表付近に滞留しやすくなり、風向きによっては今後も広範囲で煙の影響が続く可能性がある。専門家は山火事の発生件数や規模が近年拡大する背景には温暖化による高温や乾燥の進行があると指摘し、こうした「煙害」が常態化する恐れがあると警鐘を鳴らしている。各当局は大気質指数など最新の情報を確認しながら適切な健康対策を取るよう住民に呼びかけている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします