ブラジル大統領選、決選投票始まる、ルラvsフラビオ、米国の中南米戦略も左右
今回の選挙は国内の物価や治安だけでなく、環境政策や国際関係、地域の政治的な勢力図にも影響する可能性が高い。
.jpg)
ブラジルで10月25日、大統領選の決選投票が始まり、左派の現職ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領と、右派のフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員が投票した。トランプ(Donald Trump)米大統領に近いフラビオ氏が勝利すれば、ブラジルの外交・経済政策が米国寄りに転換する可能性があり、中南米における米国の影響力にも関わる選挙となっている。
10月4日の第1回投票では、フラビオ氏がルラ氏を約220万票上回った。しかし、事前の世論調査では両候補の支持率が拮抗しており、結果は予断を許さない状況である。投票資格を持つ有権者は約1億6000万人に上り、第1回投票で棄権した3300万人超の動向が勝敗を左右する可能性がある。
ルラ氏は2003~2010年にも大統領を務め、貧困削減や社会福祉政策を重視してきた。今回の選挙でも、低所得者支援や債務負担の軽減、週末の公共交通機関の無料化などを訴え、生活困窮者や労働者層の支持を求めた。一方、物価高や治安悪化への不満が再選を目指す同氏の課題となっている。
対するフラビオ氏は、2023年に退任したボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の長男で、犯罪対策の強化や食品価格の引き下げ、減税を掲げる。父親はクーデターを企てた罪で有罪判決を受けており、フラビオ氏は当選すれば父親への恩赦を約束している。また、米国との経済関係を強化し、ブラジルの重要鉱物資源の開発などで協力を進める方針を打ち出した。
トランプ政権はブラジル産品への関税を引き上げるなど、ルラ政権との対立を深めてきた。トランプ氏は特定候補への支持を明言しなかったが、選挙を注視しているとSNSに投稿した。
ブラジルは中南米最大の経済規模を持つ。今回の選挙は国内の物価や治安だけでなく、環境政策や国際関係、地域の政治的な勢力図にも影響する可能性が高い。
