米住宅市場、買い手優位に転換、売り手は値下げや諸費用負担で成約目指す
不動産情報サイトのリアルター・ドットコムによると、9月の米国の住宅売り出し価格の中央値は前年同月比1.2%減の41万9250ドル、前年割れは11カ月連続となった。
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米国の住宅市場で、売り手が販売価格を引き下げるだけでなく、購入者の諸費用や修繕費を負担して契約成立を目指す動きが広がっている。住宅ローン金利の上昇や長年にわたる住宅価格の高騰、インフレによる家計負担の増加が需要を抑え、市場は売り手優位から買い手優位へと変化している。
テキサス州のリズ・スーダー(Liz Souder)さんは、子どもたちの独立を機に、21年間暮らした4寝室の住宅を売却し、小さな家に住み替えようとした。2025年4月に75万ドルで売りに出したが、値下げを繰り返しても買い手が現れず、一度販売を取り下げた。今年2月に72万5000ドルで再び売り出し、最終的に65万ドルで売却。さらに修繕費として9000ドルを負担した。
住宅販売の停滞には、住宅ローン金利の上昇が大きく影響している。30年固定型ローンの平均金利は一時、約3年ぶりの高水準となる7.40%に達した。住宅購入者の借入負担が増し、購入を先送りする人が増えている。
不動産情報サイトのリアルター・ドットコムによると、9月の米国の住宅売り出し価格の中央値は前年同月比1.2%減の41万9250ドル、前年割れは11カ月連続となった。また、売り出し価格を当初から引き下げた物件は全体の約21%に達し、4年ぶりの高水準となった。
不動産仲介大手レッドフィンの分析では、主要50都市圏で売り手の数は買い手を63%上回った。買い手は約92万9000人で、2013年以降で最少となる一方、売り手は2020年以来の高水準に達した。
売り手は値下げに加え、契約時の諸費用や住宅ローン金利を引き下げるための費用を負担し、購入者を引き付けようとしている。ただし、住宅価格と借入金利の双方が高い状況では、こうした譲歩だけで購入需要が回復するとは限らない。住宅市場の停滞は住み替えや転職、家族計画など、米国民の生活設計にも影響を及ぼしている。
