ブラジル、オンラインカジノ禁止を検討、税収や補償問題に懸念、スポーツ賭博は対象外か
ルラ大統領はオンライン賭博の規制強化を繰り返し訴えており、10月4日の大統領選を前に、政令を承認する可能性がある。
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ブラジル政府がオンラインカジノを禁止する大統領令の発令を検討している。ロイター通信が17日、政府関係者の話しとして報じた。ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領はオンライン賭博の規制強化を繰り返し訴えており、10月4日の大統領選を前に、政令を承認する可能性がある。政府内では現在も協議が続いているという。
ロイターによると、この禁止措置はスポーツ賭博そのものや、スポーツクラブ、競技大会へのスポンサー契約には影響を与えない見通し。ただ、ブラジルで認可を受けている事業者の多くはオンラインカジノとスポーツ賭博の双方を運営しており、カジノ部門への規制は業界に大きな影響を与える可能性がある。現在、政府から認可を受けている賭博事業者は188社に上る。
ブラジルでは2024年にスポーツ賭博事業者への規制と認可制度が整備されたばかりだ。2025年には賭博事業からライセンス料や税金として約100億レアルが徴収された。オンラインカジノを禁止すれば税収が減少するとみられる。政府関係者も、スポーツ賭博を残したままカジノだけを禁止すれば、事業者の収益やスポーツ界へのスポンサー支出にも影響すると認めている。
背景には、オンライン賭博の急速な拡大と家計債務への懸念がある。財務省は国民が年間約600億レアルを賭博に支出していると推計。銀行や業界団体からも、賭博への支出が消費や家計の支払いに回る資金を圧迫しているとの指摘が出ている。ルラ氏は今週、政府内で禁止を含めた対応を協議していると明らかにしていた。
一方、業界側は既存の認可を前提に事業者が投じた資金への影響を問題視している。業界団体の法律顧問は、認可によって認められた事業を制限すれば、事業者から返金や補償を求める訴えが起こる可能性があり、補償額は最大1200億レアルに達する可能性があるとの試算を示した。
政府がオンライン賭博による社会的問題への対応と、税収や既存事業者への法的影響をどう調整するかが焦点となる。
