ブラジル、リオの組織犯罪対策を強化、ルラ大統領が連邦政府の関与拡大へ
新たな計画では、リオ州内の主要幹線道路や一部地域を対象に、連邦警察などと州・市当局による共同作戦を拡大する。
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ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は18日、リオデジャネイロで拡大する組織犯罪への対策として、連邦政府の関与を強化する試験的な計画を発表した。10月の大統領選を控え、治安問題が有権者の大きな関心となる中、連邦、州、市当局の連携を深め、犯罪組織への取り締まりを強化する狙いがある。
新たな計画では、リオ州内の主要幹線道路や一部地域を対象に、連邦警察などと州・市当局による共同作戦を拡大する。情報共有や合同捜査、検問・監視を強化し、貨物強盗のほか、武器や麻薬の密輸、犯罪組織の資金網を重点的に取り締まる。ルラ氏は今回の取り組みを、将来的に全国へ展開する治安対策のモデルと位置づけている。
ブラジルではリオを中心に犯罪組織が広範な地域で影響力を持ち、治安悪化が長年の課題となっている。特に同国最大の犯罪組織「PCC(首都第一コマンド)」と「CV(赤コマンド)」が麻薬取引や武器取引などを主導しているとされる。
ルラ政権は今年5月にも、組織犯罪対策として20億ドル規模の計画を打ち出していた。武器密売への対策、犯罪組織の資金源の遮断、殺人事件の捜査能力向上、刑務所への投資などを柱としており、今回の計画はその取り組みをさらに具体化するものとなる。
一方、治安対策をめぐっては政治的な対立も強まっている。ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の長男で、ルラ氏と激しい選挙戦を繰り広げているフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員やトランプ(Donald Trump)米大統領は、ルラ政権の組織犯罪対策が不十分だと批判している。
トランプ政権は今年、PCCとCVを「外国テロ組織」に指定した。これに対しルラ氏は、両組織が市民を脅かしていることは認めながらも、政治的目的ではなく利益を目的としているとして、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(IS)と同じように扱うことに反対している。
今回の政策は治安対策の実効性だけでなく、連邦政府と州政府の権限分担をめぐる議論にも関係する。ブラジル憲法の下では、公共の治安維持は主として州政府の管轄とされてきた。ルラ氏はこの体制を見直し、連邦政府がより直接的に治安問題に関与する必要性を訴えている。
リオでの取り組みがどの程度犯罪組織の活動や市民の治安環境に影響を与えるのか、今後の運用と結果が焦点となる。
