SHARE:

ブラジル、アルゼンチンとの外交関係を格下げ、ミレイ氏の侮辱発言受け

ブラジル外務省は駐アルゼンチン大使に対し、今後は両国関係を臨時代理大使レベルで運営する方針を正式に伝達した。
ブラジルのルラ大統領(左)とアルゼンチンのミレイ大統領(Getty Images/AFP通信)

ブラジル政府は4日、アルゼンチンとの外交関係を臨時代理大使(シャルジェ・ダフェール)級に格下げすると発表した。アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領がブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領をテレビ番組で「元受刑者」「泥棒」「クズ」などと中傷したことを受けた措置で、南米二大経済国の関係悪化が一段と鮮明になった。

ブラジル外務省は駐アルゼンチン大使に対し、今後は両国関係を臨時代理大使レベルで運営する方針を正式に伝達した。これにより、ブエノスアイレス駐在のブラジル大使は任地に復帰せず、外交代表部は格下げされた体制で運営されることになる。アルゼンチン外務省はコメントを出していない。

ルラ氏とミレイ氏の関係は、ミレイ氏が2023年末に就任して以来、イデオロギーの違いを背景に冷え込んでいた。ミレイ氏は選挙期間中から左派のルラ氏を中傷し、大統領就任後もたびたび攻撃的な発言を繰り返してきた。一方のルラ氏も、ミレイ氏が謝罪しない限り会談には応じない姿勢を示しており、両首脳はこれまで公式会談を一度も行っていない。

今回の発端となったのは、ミレイ氏がテレビインタビューでルラ氏を再び「泥棒」などと呼び、公然と非難したことだ。ブラジル政府はこうした発言を国家元首に対する容認できない侮辱と判断し、外交関係の格下げという異例の対応に踏み切った。ブラジル政府は外交上の礼節と相互尊重が二国間関係の前提であり、それが損なわれた以上、通常の外交関係を維持することは困難だとしている。

ブラジルとアルゼンチンは南米南部共同市場(メルコスール)の中核を担う最大の経済国であり、貿易やエネルギー、安全保障など幅広い分野で緊密な協力関係を築いてきた。今回の外交関係格下げが直ちに経済協力へ影響を及ぼすかは不透明だが、両国首脳間の対立が長期化すれば、地域統合や域内政策の調整にも影響が及ぶ可能性がある。

専門家の間では、政治的対立が実務レベルの協力にまで波及しないか注視する必要があるとの見方が出ている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ