ブラジル「エボラ出血熱」疑い2例、いずれも陰性、隔離継続中
アフリカ中部で深刻化するエボラ流行が南米へ波及するとの懸念が広がっていたが、今回の結果によってブラジル国内での感染疑いは解消した。
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ブラジル当局は6月1日、「エボラ出血熱」への感染が疑われていた2人の患者について、検査の結果いずれも陰性だったと発表した。アフリカ中部で深刻化するエボラ流行が南米へ波及するとの懸念が広がっていたが、今回の結果によってブラジル国内での感染疑いは解消した。
問題となったのは、アフリカから帰国した2人の患者である。1人はコンゴ民主共和国から到着した37歳の男性で、発熱などエボラ感染を疑わせる症状を示したため、サンパウロ当局が隔離のうえ検査を実施した。もう1人はコンゴの隣国ウガンダへの渡航歴を持つ患者で、リオデジャネイロ州で監視対象となっていた。両国では現在エボラ流行が確認されており、ブラジル当局が慎重に調査していた。
検査の結果、サンパウロ州の患者からはエボラウイルスの遺伝物質は検出されなかった。また、この患者は髄膜炎に感染していたことが判明した。一方、リオデジャネイロ州の患者についてもエボラ検査は陰性で、別の検査でマラリア感染が確認された。両患者とも症状の原因はエボラではなく、他の感染症によるものだったことが明らかになった。
今回の事案はコンゴで拡大するエボラ流行への国際的な警戒感を改めて浮き彫りにした。現在の流行の中心地はコンゴ東部(イトゥリ州、北キブ州、南キブ州)で、ウガンダでも感染者が確認されている。世界保健機関(WHO)は今回の流行を国際的な公衆衛生上の緊急事態と位置付け、監視を強化している。
WHOによると、流行しているのは「ブンディブギョ株」と呼ばれる珍しいエボラウイルス。承認済みのワクチンや特効薬はなく、早期発見と隔離が感染拡大防止の鍵となる。コンゴでは1000件を超える疑い例が報告され、医療体制や検査能力の不足、地域紛争による混乱が封じ込めを難しくしている。
ブラジル当局は今回の2症例についてエボラ感染を否定したものの、海外からの流入リスクを完全に排除できる状況にはないとして警戒を続ける方針だ。国際的な人の移動が活発化する中、各国の保健当局は空港検疫や監視体制の強化を進めており、越境拡大を防ぐための連携が今後も重要となる。
