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ボリビア暴動、道路封鎖で危機拡大、政府が「人道回廊」開設へ

ボリビアでは5月初旬から労働組合や鉱山労働者、農村団体などによる抗議活動が全国に拡大している。
2026年5月22日/ボリビア、デモ隊による道路封鎖の解除を求めるデモ(ロイター通信)

南米ボリビアで大規模な抗議デモと道路封鎖が続く中、政府は22日、5月24日から首都ラパスとその周辺地域に「人道回廊」を設置し、食料や医薬品など生活必需品の輸送を開始すると発表した。警察と軍が共同で輸送ルートを確保し、封鎖地点を通過できるよう支援する。政府は深刻化する物流停滞を解消し、市民生活への影響を抑える狙いがあるとしている。

今回の措置では、特にラパスと周辺地域を結ぶ幹線道路が重点対象となる。赤十字やカトリック教会も輸送支援に参加し、酸素ボンベや医療機器、食料品などを優先的に運び込む計画だ。病院では医療物資の不足が深刻化しており、一部では酸素供給が危機的状況に陥っているという。

ボリビアでは5月初旬から労働組合や鉱山労働者、農村団体などによる抗議活動が全国に拡大している。発端はパス(Rodrigo Paz)大統領による緊縮政策や燃料補助金削減への反発で、燃料価格の上昇や物価高騰が市民生活を圧迫していることが背景にある。抗議参加者の一部はパス氏の辞任も要求し、政情不安が強まっている。

各地の道路封鎖によって物流が混乱し、ガソリンスタンドでは長蛇の列が発生している。ラパスでは公共交通機関の運行も停止し、学校や商業活動にも影響が広がった。銀行の一部支店は安全上の理由から営業を停止し、オンライン業務に切り替える事態となった。

政府は封鎖解除に向けて警察と軍を投入し秩序維持を進めているが、強硬対応への批判も出ている。これまでの衝突で少なくとも3人が死亡し、多数の負傷者と逮捕者が出た。野党や逮捕状が出ているモラレス(Evo Morales)元大統領の支持者らが抗議を後押ししているとの指摘もあり、政治対立の様相を強めている。

経済面では、天然ガス輸出の減少や外貨準備不足が深刻化する中、政府は財政再建を急いでいる。しかし、国民の不満は高まっており、抗議活動の収束は見通せない状況だ。今回の「人道回廊」が物流混乱の緩和につながるかが注目されている。

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