IMF、ボリビア向け融資を承認、実務者レベル、19億ドル
ボリビアでは近年、主要輸出品である天然ガスの生産減少に伴って外貨収入が落ち込み、財政赤字は国内総生産(GDP)の10%を超える水準に拡大している。
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国際通貨基金(IMF)は29日、ボリビア政府と総額19億ドル規模の3年間の融資プログラムについて実務者レベルで合意したと発表した。深刻な経済危機に直面する同国にとって、外貨準備の回復やドル不足の緩和に向けた重要な支援となる見通しだ。一方、融資の実行にはIMF理事会とボリビア議会の承認が必要で、国内政治の不透明感が大きな課題として残っている。
ボリビアでは近年、主要輸出品である天然ガスの生産減少に伴って外貨収入が落ち込み、財政赤字は国内総生産(GDP)の10%を超える水準に拡大している。外貨準備高も大幅に減少し、米ドル不足による輸入停滞やインフレ圧力が経済活動を制約してきた。今回の融資プログラムは、こうした状況を改善し、マクロ経済の安定化を図ることを目的としている。
右派のパス(Rodrigo Paz)大統領は財政健全化に向け、燃料補助金の削減や歳出抑制などの緊縮策を進めてきた。しかし、これらの政策は燃料価格の上昇や生活費の負担増につながり、各地で抗議デモや道路封鎖が発生するなど国民の反発を招いている。
政府は当初、25億~28億ドル規模のIMF獲得を目指していたが、最終的な融資額は19億ドルにとどまった。それでも政府は、この合意を契機に世界銀行や米州開発銀行(IDB)などから50億ドル超の追加支援を呼び込める可能性があるとしている。
一方で、融資実現への最大の障害は国内政治だ。ボリビアではIMFからの借り入れに対する警戒感が根強く、政権与党は議会で過半数を確保していない。主要労働組合織などもIMF支援に反対姿勢を示しており、議会審議では厳しい議論が予想される。過去にはIMFの構造改革や緊縮政策に対する反発が社会不安につながった経緯もあり、政府が国民の理解を得ながら改革を進められるかが問われる。
市場関係者は、今回の合意が成立すれば外貨準備の積み増しや投資家心理の改善につながる可能性があるとみている。ただし、融資の実行には議会承認に加え、政府が財政改革や経済運営の改善を着実に進めることが前提となる。
過去の左派政権が積み上げた経済危機からの脱却を目指すボリビアにとって、IMFとの合意は重要な一歩となる一方、改革を巡る政治的・社会的な調整が今後の成否を左右する見通しだ。
